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上原浩治が古巣帰還へ 日本関係者が言う「次はイチローの番!」の真相

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上原浩治

 シカゴ・カブスからフリーエージェント(FA)になっていた上原浩治(42)が日本球界に復帰する。当初、上原は「マイナーはイヤ。メジャーからのオファーがなければ引退する」と、日本球界での現役続行は考えていないと語っていた。しかし、2月末に変え方を一変。「やっぱり、野球がしたい!」と、日本球界復帰も視野に入れることにした。これに対し、素早い対応を見せたのが古巣・巨人である。

 「上原は海外FA権を行使しての米球界挑戦でしたが、残留を強く願う一部の巨人フロントとモメてしまいました(2010年)。当時を知るスタッフもけっこう残っていますし、上原との交渉に当たる者は『全面的に帰還を歓迎していること』を説明しなければなりません」(スポーツ紙記者)

 石井一夫・巨人球団社長も記者団に囲まれた際、「もし実現するなら、ファンの方に喜んでもらえると思う」と答えている(3月2日)。「(NPB)帰還が前提なら」と前置きしていたが、「具体的なオファーはしているのか?」の問いに、「聞いていないと言っておきましょう」と、意味シンな言い回しで笑顔を見せた。球団トップの前向きな発言を知れば、上原帰還に反対する巨人関係者は何も言えなくなってしまう。同社長の発言の意図はここにある。これに機に、上原の帰還が決定したと見る向きも強まってきた。

 今回の一連の動きについて、こんな声も聞かれた。
 「所属球団が決まっていない主なベテランといえば、あとは、イチロー(44)ですか…。村田修一(37)も独立リーグ入りを正式に表明しました(3月5日)。ベテランは粘れば、オープン戦終盤に契約が転がり込んでくることもあります。メジャーリーグでは予定していた選手の故障や不振があれば、実績のあるベテランに声を掛けるんです。でも、彼らはすぐに結果を出さなければなりません。キャンプ、オープン戦で調整できなかったので、非常に難しい」(プロ野球解説者)

 イチローも早く“決断”したほうが良さそうだ。上原が現実的な選択をしたのとは対照的に、イチローはいまだ「メジャー一本」の姿勢を崩していない。ここで思い出されるのが、2012年の松井秀喜氏(43)だ。

 当時の「選手・松井」もキャンプが始まっても去就が決まらず、オープン戦の時期になって、ようやくレイズとマイナー契約を交わすことができた。マイナーの数試合をこなしてからメジャーに昇格したが、実戦感覚を取り戻せないまま、「戦力外」を通達されてしまった。2月下旬から3月上旬の間に実戦練習を積み重ねていなかったツケは想像以上に大きかった。その後、松井氏は引退を表明しているが、同じ悲劇を今回のイチローに重ねる関係者も出始めたそうだ。

 「実戦練習をやってきたのとそうでないのとでは、大違い。オープン戦終盤、イチローにオファーを送る米球団も出てくるだろうが、おそらくはマイナー契約でしょう。マイナーで2週間ほど調整し、そこで結果を出したらメジャー昇格という流れになると思います」(米国人ライター)

 しかし、メジャーリーグのステージで頂点も極めたイチロークラスの選手が、マイナーの場末の球場で、それもオンボロバスでの移動やまずい食事、決して衛生的とは言えないホテルでの試合調整に耐えられるだろうか。

 メジャーリーグ全30球団を見渡すと、現役時代に一流と呼ばれた選手OBの監督はいない。メジャーリーグで監督を目指すOBに対しても、例外なく、ルーキーリーグやマイナーでの指導者経験を要求する。そこで実績を積み上げ、選手同様、1Aから2A、3Aと昇格し、ようやく「監督候補」のリストに加えられるという。一流選手は恵まれない環境に耐えられず、監督志願を取り下げるそうだ。逆に、選手で一流になれなかったOB監督がメジャーリーグに多いのはそのためである。

 今回の上原の決断を知り、「イチローは大丈夫か?」という懸念が日本球界でも聞かれるようになった。一気に衰えた、なんてことにならなければいいのだが…。

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