「15年プロレスやってドームで永田裕志の第一章が終わった。きょうから第二章の折り返しに入った」。ようやく永田が動き出した。
4日の東京ドーム大会でIWGP3代目ベルトを懸けてカート・アングルと激闘を繰り広げた永田。アングルに惜敗した後「完全燃焼」と語ったことで、RISEの若武者・後藤から「燃え尽きて終わった選手と世代交代する」と果たし状を突き付けられた。
後藤の挑戦表明に伴い2・17両国大会で一騎討ちが決定。アングル戦後に病気療養していたこともあり、永田はここまで沈黙を続けていたが、この日の直接対決でついに闘いののろし。この日、棚橋弘至と組み、中邑真輔と組んだ後藤と対峙した永田。ゴング直後に後藤から敬礼ポーズで挑発され、完全に戦闘モードになった。
容赦なくビッグブーツで顔面をえぐったかと思えば、後藤の伝家の宝刀昇天をナガタロックで返すなど終始圧倒。最後も垂直落下式ブレーンバスター、リストクラッチ式エクスプロイダーを立て続けに決め、ダメ押しのバックドロップホールドで勝負アリ。一騎討ちを前にいきなり3カウントを奪ってみせた。
前哨戦で完勝。試合後はノーコメントだった後藤に対し、永田は余裕たっぷりで「元気が良かった」と語ったが、メッセージはこれだけにとどまらない。一連の挑発について「まだまだコメントの割にぶっ倒すっていう心意気が感じられない」とピシャリ。それどころか「彼には両国でプロレスにある本当の怒り、悲しみ、苦しみを味わってもらう」と“レスラー3重苦”を植え付けるという。
永田が後藤に洗礼を浴びせるのも当然のこと。この一戦はただ単にチャレンジマッチを受けて立つだけではない。むしろドームでアングルに敗れて閉ざされたタイトル戦線の扉を再び開く闘いでもあるからだ。同社フロント幹部が言う。
「永田選手には両国を終えた先に2連覇の懸かった春のG1が待っています。(IWGP)チャンピオンが出場できない春のG1では、現在トップ戦線を脅かしている後藤選手はかなり不気味。ですから、早めに出る杭を打ってしまおうということなのでしょう。春のG12連覇なら文句なしで次期挑戦権を得られるわけですから」
再興ロードの重要な第一歩となる後藤戦。ミスターIWGPの第2章が幕を開けた。