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緊急トレードか!? プロ野球 計算外の不振&嬉しい誤算(埼玉西武編)黄金ルーキーはなぜ出て来ない?

 1番・片岡、2番・栗山、3番・中島、4番・中村。若手成長株の浅村栄斗(20)に実戦経験を積ませるため、一塁手で起用。銀仁朗(23)も正捕手への階段を駆け上がり、ドラフト3位の秋山翔吾外野手(23)もスタメンを経験した。若くして実力を兼ね備えた好選手が多い。打線を固定できたチームは他にもあるが、彼らは全員、生え抜きである。その点では、西武のレギュラー野手陣は12球団トップではないだろうか。
 また、先発投手陣も良い。エース・涌井を筆頭に、岸、帆足、新人の牧田和久(26)。右のオーバーハンド、左腕、アンダースローと、レパートリーも豊富だ。その埼玉西武ライオンズが、序盤戦は最下位争いに甘んじた…(7勝12敗1分け/勝率3割6分8厘)。
 新人・牧田のプロ初勝利が5月6日まで遅れた。4試合目の先発でやっと勝ったが、過去3回の防御率は2.78。先に2敗を喫しており、まさに味方打線の援護に恵まれなかったわけだが、序盤戦の展開を見る限り、試合主導権を握れない『薄氷の勝利』も多かった。

 何故、勝っていても主導権を握れないのか−−。まず、絶対的な守護神(クローザー)がいないこと。セットアッパーを含めた救援投手陣にこれといった人材がいないため、先発投手は責任イニング(5回)以上を投げなければならない。先取点を挙げた試合でも、精神的に追い込まれているから、試合主導権が掴めないのだ。
 当初は昨季33セーブのシコースキーと、復活を目指すグラマンが予定されていたが、震災による一時帰国で調整に失敗したのだろう。岡本篤志(29)が孤軍奮闘していると言ってもいいだろう。この問題は人材が豊富なだけにいずれ解消されると思われる。しかし、『黄金ルーキー』が出て来ないのは問題だ。それも、2年続けて…。

 雄星(19)は開幕一軍入りを果たしたが、1球も投げずに二軍降格となった。大石達也(22)は『先発挑戦』の課題を消化できず、一軍昇格の目処は立っていない。
 「大石のストレートは澤村(=巨人)に勝るとも劣らないものがあります。早大時代は主に救援投手として活躍していました。学生時代から典型的な救援タイプと称されてきたのは、まず、球種が少ないこと。それと全力投球することによって長所が発揮されるタイプだからです」(在京球団スカウト)

 先発となれば、1試合で100球以上投げなければならない。ストレートによる力勝負を5イニングも6イニングも続けるのは体力的に無理だ。そうなると、7割から8割程度の力加減で変化球を折り曲げながら打ち損じを誘う投球を修得しなければならない。
 そのための投球フォームの改造に失敗し、重量感溢れるストレートが投げられなくなってしまったというのだ。
 「救援投手は『短命』です。先発投手として、エースとして大きく育てたいという球団の意向は間違っていない」(球界関係者)
 西武はドラフトで逸材を発掘し、チームの中核選手に育て挙げていく球団でもある。当然、1年目から結果を出すタイプもいれば、3年以上を要する“遅咲き”もいる。投打ともに主力選手に生え抜きが多い。よって、スカウティングは間違っていない。2位以下の指名選手が一軍に上がり、他球団との競合の末に獲得した黄金ルーキーが出て来ないとは、育成に何か問題があるのだろうか。

 『育成の新敗』と結論づけるのはまだ早いが、大石は大卒投手である。22歳で獲得した新人が一軍戦力になるまで3年以上を要するとなれば、渡辺監督以下、首脳陣の指導能力が問われることにもなりかねない。
 救援陣に一抹の不安を抱えながらの試合展開が続いている。ここに、大石がはまれば「問題解決」となるのだが…。

 5月6日、エース・涌井秀章(24)の右肘の違和感で登録を抹消された。球団は「軽症」と伝えていたが、わざわざ「一軍登録を抹消してまで様子を見なければならない」のだから、完全復帰まで時間が掛かるのではないだろうか。首位戦線に浮上するためにも『投手陣の再整備』は急務である。(スポーツライター・飯山満)

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