オクトーバーフェストはドイツのミュンヘンで毎年開かれている祭典で、それを模したイベントが日本でも開催されている。10月に開催されるからオクトーバーフェストであるが、日本では5月に日比谷公園で開催される「日比谷オクトーバーフェスト」が定番である。昨年は日比谷だけでなく、芝公園でも開催された。日独交流150周年を記念する今年は代々木公園と豊洲でも開催された。
「豊洲オクトーバーフェスト」も「日比谷オクトーバーフェスト」と同様、ドイツ直輸入のビールやドイツ料理が提供され、ステージではドイツの民族音楽が演奏される。東北地方の地酒を販売する東北復興支援企画「東北SAKEフェスタ」が合わせて開催される点も同じである。しかし、会場の雰囲気は立地の性格を反映していた。
外で飲むビールがおいしく感じられる爽やかな初夏に開催される「日比谷オクトーバーフェスト」に比べると、湿度が高く台風の懸念もあった初日の入りはイマイチであった。店員が駅頭などに立って、帰宅中の会社員などにチラシを配布して入場を呼びかけるほどであった。
代わりに子ども連れやペット連れが目についた。豊洲は古くから都営住宅がある住宅地でもあり、マンション建設が進む近年は人気の住宅街になっている。歩いて会場に行ける住民が多い点が日比谷や芝、代々木との大きな相違である。
豊洲ではベビーカーを押しながら会場を回る母親や父親の姿が見られた。さらにソーセージなどのドイツ料理を求める子どもたちの姿もあった。ビールの祭典と子ども達の組み合わせは一見すると不調和であるが、本場ドイツのオクトーバーフェストでは観覧車などのアトラクションも登場し、子どもも楽しめるイベントになっている。
もう一つの特徴がペットである。豊洲はペット連れに楽しい街でもある。春海橋公園に隣接する商業施設「アーバンドック ららぽーと豊洲」には都内最大級の天然芝のドッグランがあり、店内にもペットウェルカムエリアが整備され、ドッグカフェもある。オクトーバーフェストの会場内もペットを連れた客が歩いていた。
(林田力)
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