寺関係者らによると、前住職は09年8月に住職に就いた後、女性を副住職から解任。「生活保護を受けないと生きていけない」と話した。女性は前住職に付き添われて、京都府内の自治体に赴き、生活保護を申請、約7万5000円の保護費が認められた。
その後、前住職らは女性のためとして、境内にプレハブを建設。10年4月から女性を住ませ、今年2月まで毎月、保護費から家賃約4万円と電気代約1万円の計約5万円を請求。女性は支払いを続けた。電気代は前住職らが決めていた。
女性は「金額は一方的に決められ、拒めなかった。監視され、部屋から出られない時もあった」と話しており、今年5月から別の場所に避難した。
女性が住んでいたプレハブの部屋は、1階を仕切った約11畳。風呂、トイレ、流し台があった。地元不動産業者によると、プレハブで家賃4万円は相場から見て、かなり高いといい、事実上、前住職らが保護費からピンハネしていたといえる。
また、前住職らは実質的に運営する埼玉県毛呂山町の雑居ビルに、元路上生活者の60代の男性らを住ませ、預金通帳を管理。生活保護費などから家賃や光熱費を徴収していたことも、今年2月に判明しているという。
(蔵元英二)