というのも回顧録「トータル・リコール」のキャンペーンの為に9月30日にCBSの名物番組「60ミニッツ」に出演したところ、大きな反響を呼び、TV局も雑誌もこぞって取り上げているのだ。
映画のヒットの為には、スキャンダルのほとぼりが冷めるのを待つより、悪事(?)を洗いざらい告白した方が女性映画ファンの彼に対するイメージが良くなると判断したらしい。
ブリジットニールセンとの関係や、元家政婦との間の隠し子騒動などについてずばりと切りこむレスリー・スタールのインタビューにも動じず、のらりくらりと核心をかわす話術は州知事時代に培ったものだろうか。「何を考えていたんですか」とピシリと言われた時にも「僕は完ぺきじゃない」とかわしている。
それにしても子供が大きくなって自分に似てくるまで自分が父親だとはわからなかったなどと白々しい事を言い、妻であるマリア・シュライバー(現在離婚係争中)にも長い間隠し通していたなど、女性の敵のような存在で、「悪い夫の見本」とまで言い切る番組もある。
「バイオグラフィー(伝記)だと嘘は書けないけど、メモワール(回顧録)だと嘘がつけるからね」は書店の店員のコメント。
アメリカの書店の伝記や自伝、メモワールのコーナーには有名人の本がたくさん並んでいて、最近ではバーブラ・ストライサンドやシンディローパーもメモワールを出版しているが、どうやら「トータル・リコール」が真っ先にベストセラーになりそうな気配である。
(セリー真坂)