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実写版『あしたのジョー』のキャスティング、原作ファンは許せるの?

 のっけから「違うだろっ!!」とつっこみたくなる山ピー(「NEWS」の山下智久)のジョーと、香川照之の“丹下のおっさん”という、驚愕のキャスティングが発表された昭和スポーツマンガの“金字塔”『あしたのジョー』実写版。まるで目黒祐樹主演・実写版「ルパン三世」や、加山雄三主演・ドラマ版「ブラック・ジャック」の様な○○な作品になりはしないか? という、一抹どころじゃない不安感が漂う。原作マンガのファンとして、怒りの告発だ。

 映画化される事になったボクシングマンガ「あしたのジョー」。記者世代の人で、昔同じ時間帯(夕方6時)に再放送していた「巨人の星」とごちゃごちゃになってる人も多いと思うので、ざっくりストーリーを説明すると、天性の瞬発力とパンチ力を持った孤独な不良少年・矢吹丈(やぶきじょう)・ジョーは、酒びたりの怪人・丹下段平にボクサーとして育てられ、友人の死や、打たれすぎによる神経の故障などに見舞われながらも、外人と対戦して灰になる。という、一見スポ根マンガ風でありながら、実は東京下町を舞台にした哀愁あふれるヒューマンマンガ。ちなみにノーガードで打たれっぱなしのジョーのボクサースタイルは、故・たこ八郎さんがモデルと言われている。

 ここで、もう決まっているキャストがジョーの山ピーと丹下段平の香川なのだが、一見無神経で口の悪いジョーは、実は繊細で心やさしく、いつのまにか周りのみんなが夢中になってしまう吸引力のあるヒーロー。キムタクならまだしも、山ピーじゃちょい薄いような…。でも、百歩譲って山ピーのジョーはいいとして、丹下を演じるのが香川照之とは、一体どうした事か。香川は東大卒のインテリだぞ! 年も44歳で若いし、ぜったい丹下のおっさんじゃない。万年金欠監督の井筒和幸にでもやってもらえばいいじゃないか。汚くて不気味に見える丹下段平は、実は誰よりもジョーを思い、情け深く高潔な人物。芸達者な香川だから大丈夫だとは思うが、「龍馬伝」の岩崎弥太郎とか「カイジ」の利根川みたいにただ下品に演じられたら困る役なのだ。

 そして気になるのが、何かとボクサー達の世話を焼き、白木ジムのオーナーになる財閥の令嬢・白木葉子と、ジョーのライバル力石徹の、まだ決まってないキャスティング。葉子は力石が好きなフリをしながらも結局はジョーが好きという、とてもオイシイ役。ロングヘアで白いワンピースが似合う女優と言えば、北川景子か矢田亜希子か黒木メイサ。この三人なら誰でもいいと思う。背が高くストイックな力石は、ジョーと同世代なのにとても大人っぽいので、この際ジャニーズやイケメン俳優は全部外して、演技力が高くてもあまり知られてない俳優(川本淳市とか)をオーディションで選ぶとか、音楽界からけんかっ早い布袋寅泰や、演技初挑戦でコブクロの大きい方を出してみるとか、思いっきり奇をねらったキャスティングを望む。
 とにかく、40年ぶりの「あしたのジョー」の実写版、監督は「ピンポン」(そういえばボクシングを卓球に置き換えただけで、「あしたのジョー」そっくりの映画)の曽利文彦。完成が楽しみだ。(コアラみどり)

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