1年前、レギュラーが確約されていた西岡。開幕当初こそ、スタメン二塁手として起用されたものの、開幕直後に左足を骨折。戦列復帰してからは遊撃手として出場したが、故障も多く不本意なシーズンに終わった。残した成績はわずか68試合出場、打率.226、本塁打0、打点19、盗塁2で、期待はずれの惨たんたるものだった。
ツインズはポスティングシステム(入札制度)で西岡を獲得したビル・スミスGMを解雇し、ドジャースからFAになっていたジェイミー・キャロル内野手を獲得。今季、西岡レギュラーの構想はなく、二遊間は二塁がアレクシー・カシーヤ内野手、遊撃が移籍のキャロルになる予定。
キャンプでの西岡の位置付けは、控えからレギュラーを狙うという役どころで、レギュラーのバックアップ要因だった。しかし、オープン戦での不調がたたり、3月19日、西岡はマイナーに降格。「受け入れるのは難しいが、ここには挑戦しにきているのだし、これで終わりじゃない。落ち込んでいる場合じゃない。少しでも早く上がれるように頑張るしかない」(西岡)と語ったが、開幕メジャーが絶望的になったとあって落胆の色がありあり。
これには、地元メディアも辛らつに報じた。ミネソタポスト紙電子版は「日本のゴールデングラブ賞は併殺プレーができず、肩も弱い。最低でもレギュラーを期待したが、補強は失敗だった」と酷評。「(総額)1450万ドル(当時のレートで約12億円)の投資を無駄にした」とのきつい見出しも躍った。
落札額約533万ドル、3年契約925万ドルの総額約1458万ドルで、大きな期待を受けて入団した西岡。昨季期待外れに終わった上、ついにマイナー落ちしたとあっては、周囲の風当たりも強くなった。
オフには関係者に「日本に帰りたい」ともらしたとも伝えられる西岡。3年契約が満了したら、早々に日本に引き揚げることも現実味を帯びてきた。
(落合一郎)