4番に座った大山悠輔が1回に2ランを放ち、幸先よく先制に成功した阪神。しかしその直後、先発ランディ・メッセンジャーが松田宣浩に痛恨のグランドスラムを浴び、2点リードから一転して2点ビハインドとなってしまう。
何とか差を詰めていきたい打線は、2回に二死一、二塁、5回に二死満塁のチャンスを作るもいずれも無得点。一方の投手は6回、3番手の西勇輝がジュリスベル・グラシアルに3ランを被弾し、その差をさらに広げられてしまう。
前日の6安打を下回る5安打に終わった阪神は、冒頭で述べた通り「2-7」で敗戦。得点力不足の不安が拭えないまま、福岡の地を後にすることとなった。
全12球団(オリックスは試合未消化)の中では、埼玉西武(0勝2敗)と並び、オープン戦白星無しとなっている阪神。今回の試合を受けたネット上には「まるで去年のような試合やった」、「いくらオープン戦とはいえ、貧打で4連敗は深刻な気がする」、「開幕までこの流れ続きそうで怖い」といった不安の声が挙がっている。
昨年のオープン戦では開幕6連敗を喫し、そのまま最下位となった阪神。その後迎えたシーズンでも17年ぶりの最下位に沈んでいるだけに、ファンが不安を抱くのも致し方ないのかもしれない。
ただ、だからといって明るい材料が何一つないという訳ではない。打者では共にルーキーの近本光司(ドラフト1位)、木浪聖也が出色のプレーを続け、投手では新加入のオネルキ・ガルシアが今回の試合で2回0封と実力を披露。ここに糸井嘉男、福留孝介といった主力が合わされば、流れが変わる可能性も十分だろう。
今後のオープン戦では、13試合を予定している阪神。スロースタートとなった現状から、尻上がりに調子を上げることはできるだろうか。
文 / 柴田雅人