高木社長自身が手売りしたチケットの数は実に1000枚。驚異的な数字だが、半年前から他人の助けも借りず、豊富な人脈を生かして一人で売って歩いた。
まず、プロレス好きな人のいそうな場所にはすべて顔を出す“ドブ板営業”を敢行。以前もらった名刺の電話番号にかたっぱしから電話した。武蔵小山や新宿2丁目などプロレスファンの集まる場所にも頻繁に出かけた。新宿2丁目ではおネェさんに「いいカラダね」と自慢のフトモモを触られてしまう場面もあったとか。
チケットの売り方も単純明快だ。「最初は豪華カードについて説明。あとはもうひたすらお願い。買ってもらうまで帰らなかったですね」。関係者によると、まるでスーパーでお菓子をねだって駄々をこねる子供のようだったという。
「買ってもらうために後輩にごちそうばかりして、お金がなくなっちゃったよ」と高木社長。インディープロレス団体の経営者というのはこういう部分でも大変なのだ。