日本時間4月27日のブレーブス戦、カブス・鈴木はノーヒットに終わった。鈴木の無安打は4試合ぶり。それでも、打率は3割2分7厘と高く、対戦投手の脅威となっているようだ。
しかし、その日の鈴木が戦わなければならなかったのは、ブレーブス投手陣だけではなかった。
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「ブレーブス対カブスの一戦は、TV中継もされていました。カブスファンだけではなく、ブレーブスの地元・アトランタのTV視聴者も鈴木に同情的でした」(米国人ライター)
明らかに「ボール球」という投球をストライクコールされたのだ。それも、二度。ブレーブス側であるはずのアトランタの地元紙「アトランタ・ジャーナルコンスティテューション」も、二度目の誤審がされた時の様子を<鈴木は凍りついてしまった>と伝えていた。
「鈴木の好調さは『ボール球をスイングしないからだ』と分析されています。メジャーリーグにはボール球をスイングした割合を数値化した指標もあります。メジャー平均が28%台なのに対し、鈴木は5%台。米国ファンは選球眼に優れたスラッガーだと認識しています」(前出・同)
この日、球審を務めていたのは、テッド・バレット審判員。相手チームのファンも鈴木に同情的だったのは、同審判員が“有名人”だったせいもあるようだ。
公式データではないが、2018年、ボストン大学の研究チームが過去11シーズン、約400万球のストライク、ボールのジャッジを調べ直したところ、「2ストライク後の誤審は約30%」にも及んだそうだ。
また、この研究チームは誤審の多い審判のワースト5も発表している。その1位に名前が挙げられたのが、バレット氏だった。
「ニューフェイスや日の出の勢いにある選手に対し、『オレが指導してやる』みたいな考えになる審判もいると言われています」(球界関係者)
ミス・ジャッジはメジャーリーグの洗礼なんて言われ方もしている。バレット氏も赤マル急上昇中の鈴木に対し、“特別な感情”を持っていたのだろうか。
「ボストン大学の調査発表後、AI審判の導入議論が加速しました。マイナーリーグで何回かテストしてみたんですが、うまくいきませんでした。試合テンポも悪くなるみたいで」(前出・米国人ライター)
“誤審”に苦しんだブレーブス戦の最終打席は8回表に回ってきた。一死一塁、右中間への大打球を放ったが、相手中堅手に好捕されてしまった。長打を確信していた一塁走者は帰塁できず、ダブルプレーも成立した。ツイてない一日となった。
他選手が打席に立った時は、おかしな判定はなかった。バレット氏との相性の悪さが、今後の打撃に影響しなければいいのだが…。(スポーツライター・飯山満)