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大阪 維新vs公明党「急転直下」舞台裏

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提供:週刊実話

 日本維新の会の地域政党『大阪維新の会』(以下、維新)と公明党が大阪都構想をめぐり風雲急を告げている。大阪都構想の是非を問う住民投票期日。折れない公明党に業を煮やした維新の松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長が、いよいよW辞職で4月統一地方選を絡めトリプル選に打って出る︱︱。

 加えて、維新は統一地方選、参院選で公明党候補擁立選挙区に維新候補を乱立させ公明殲滅作戦を展開する構え。公明党は大阪もさることながら、沖縄など全国各地で起きる「地方の異変」に頭を抱えながら最終決断を迫られていたのだ。

 全国紙府政担当記者が維新VS公明党の最新動向をこう解説する。

 「松井府知事の早期住民投票実施への執念はハンパではない。それを邪魔し先延ばしを謀る公明党に、4月の大阪府議選でも戦争を仕掛けた。高槻市などを含む選挙区(定数4)に維新は2期目の池下卓府議がいるにもかかわらず、2人目の候補者として衆院当選5回の松浪健太前衆院議員の擁立を宣言した。この選挙区には公明党の現職府議である林啓二・公明党府本部幹事長がいる。実は、林府議は維新側との大阪都構想交渉役の中心人物です。維新の怒りは林府議潰しで、知名度抜群の松浪氏をぶつけるだけではない。反維新、反都構想を掲げる竹山修身・堺市長が最近、政治資金問題で大阪地検に刑事告発されたのも維新サイドの動きと無関係ではない」

 ここで大阪都構想の経緯を振り返っておこう。

 大阪府・大阪市の二重行政効率化のため、市を廃しての特別区再編が大阪都構想だ。この是非をめぐり橋下徹市長時代の2015年に1度目の住民投票が行われた。結果は約1万票の僅差で否決。今回は吉村市長による仕切り直しで、再チャレンジという流れだ。

 「維新は府・市議会とも過半数に達していない。1回目の大阪都構想の是非を問う住民投票で力を貸してくれた公明党に、再度協力を要請していた。公明党は都構想には反対だが、住民投票には賛成すると密約していたが、実施時期で双方が対立していたのです」(某大阪府議)

 松井府知事と吉村市長は、双方の任期内である今年11月までに住民投票を実施することと、投票までのスケジュールを文書か口頭で確約するよう公明党に求めた。これに対し公明党府本部と支持母体『創価学会』の幹部が3月1日に緊急会合を開いた。同会合の中で、府本部関係者から「スケジュールの確約はノー」との意向が学会幹部らに伝えられ、容認されたという。

 松井府知事と吉村市長は再度前倒しでW辞任、任期が延長できる府知事と市長入れかえのクロス選挙をチラつかせた。さらに追撃で、他の選挙でも維新候補を公明党候補にバンバンぶつける、と最後の猛プレッシャーをかけていたのだ。

 こうした維新と公明党のバトルに、双方に太いパイプを持つ菅官房長官が一度調整に乗り出した。
「当然、維新の松井府知事にも密に連絡していたが、“これだけは引けない”と妥協を頑なに拒否している。菅官房長官は創価学会の佐藤浩副会長にも依頼したが、佐藤副会長から“東京と大阪の間には地元事情があり、どうしようもない”と言われたというのです。菅氏も半ばサジを投げかけていた」(自民党関係者)

 実は、公明党と創価学会には、大阪だけではなく全国規模で選挙や政策対応で“異変”が起きている。中央では自公の連立政権だが、地方は複雑なのだ。

 例えば、自民党の北川知克元環境副大臣の死去に伴う衆院大阪12区補選(4月21日投開票)。

 自民は知克氏のおいの北川晋平氏を公認した。これに対し民主党政権で総務相、'17年衆院選で旧希望の党から比例当選の樽床伸二・衆院議員が議員辞職して無所属で出馬。維新は藤田文武氏を擁立するが、公明党は樽床氏から'15年の大阪府議選寝屋川市区で支援を受けた経緯がある。

 「公明党は4月7日投開票の府議選で、衆院大阪12区の大票田である寝屋川市選挙区で維新、自民とガチンコ勝負する。その直後の衆院補選に自公の選挙協力は難しい。そこに大阪都構想での維新との対立ですからね。公明党関係者は頭を抱えています」(在阪記者)

 同じ衆院補選の沖縄3区(同)。この選挙区は玉城デニー知事の沖縄県知事選出馬に伴う補選だ

 自民党は元沖縄北方担当相の島尻安伊子氏、自由党は玉城知事の後継でジャーナリストの屋良朝博氏を擁立し、事実上の与野党一騎打ちとなる。

 「ここでも公明党の動きが最大の焦点です。2月の県民投票で辺野古埋め立て反対票が40万票を上回り、投票総数の70%を超えた。自公は反対票が55〜60%と読んでいた。つまり、沖縄の民意決定では公明党・学会票が左右したわけです。沖縄3区補選も移設反対の自由党候補に流れる可能性が高い。自由党の小沢一郎代表は沖縄3区補選を『参院選と政局に大きな影響を及ぼす一大決戦』と見ています」(地元記者)

 自公連立と言いながら、公明党は各地で反自公、あるいは自公激突の火種を抱えているうえ、大阪都構想で対維新にも苦慮している。

 大阪万博、カジノ&F1誘致、大阪都構想のホップ・ステップ・ジャンプで維新はさらに勢いを増すと見られている。
 維新と公明党の“大阪抗争”は予断を許さない。

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