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那須川天心、メイウェザーを「驚かせる動きをしたい」試合の地上波中継も正式決定!

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那須川天心(右)

 大晦日の格闘技イベント『RIZIN.14』(さいたまスーパーアリーナ)で、エキシビションマッチ(3分3ラウンド)に臨むキックボクシング界の“神童”那須川天心(TARGET/Cygames)が18日、千葉県・松戸市内のTEPPEN GYMで公開練習を行った。天心は約2週間、米のホルヘ・リナレスのジムで、元プロボクシング3階級王者のリナレスから直接指導を受けており、前日に帰国したばかり。約50人の報道陣が詰めかける中、シャドーと、帝拳ジムの葛西裕一トレーナー(元日本&東洋太平洋ジュニアフェザー級王者)を相手にミット打ちを3分ずつ披露した。

 リナレスから勧められたレスリングシューズを着用してリングインした天心だが、公開練習では、ボクシング仕様の中に、立体的なスーパーマンパンチや、裏拳のような動きを見せるなど、キックボクシングで培ったテクニックも取り入れた。当日も「キックボクシングの技術も使っていく」という。

 練習後、囲み会見に応じた天心。アメリカでの収穫が大きかったのだろう、スッキリした表情で、カードが決定した時よりも自然体に戻っていたのが印象的だった。

 「重心がボクサーになったと思う。2週間でだいぶいい動きになった。蹴りがない分、大きく動ける。アメリカでこんなにも変わるんだと思うぐらい変わった。相手は防御がうまい。L字ガードを崩す練習をしている。驚かせる動きをしたい」

 そうアメリカでの練習を振り返ると、「怖い感情もありますけど、今は不安はない」と続けた。天心は、5階級制覇のレジェンド、フロイド・メイウェザーのたび重なる挑発について「一発蹴ってやりたい」とニヤリ。「エキシビションとか言って逃げているんじゃないかと思う。世界一になった男がそういうことを言うの?僕は違うと思うので、それも変えたい」と逆に挑発した。

 「倒すより、まず当てる。当たれば倒せるパンチを持っている」

 天心は「一発ももらえないし、油断するタイミングはない。当てられるタイミングを探す。集中してやらないと。今はメイウェザー戦のことだけを考えたい」とひと筋ではいかないことを認めつつも、己のパンチの破壊力を信じて“ワンチャン”を狙っていく。

 「初めてのルールで、拳ひとつで変えられるんだということを改めて思いましたし、これは日本を代表してやる試合。みなさん勝ってほしいと思っていると思うので、その気持ちに応えたい。一発、ぶっ飛ばしてやりたい!」

 最後にこう話すと20歳の挑戦者は、笑みを浮かべていた。今回の練習で「ボクシングの奥深さを知ってすごく楽しかった」とボクシングへの興味も強くなったよう。ただ来年はRISEでキックの世界トーナメントを控えており、“あの男”もついに動き出している。「今はキックで世界一になることを考えたい」という天心がそれを達成したとき、ボクシングへの道も見えてくるはずだ。そのためにもメイウェザー戦ではしっかりアピールしておきたいところ。一緒に米に同行した天心の父親で、TEPPEN GYMの那須川弘幸会長は「アメリカでやってきたことをそのままやるだけ。後はやるしかない」と息子への思いを話している。

 RIZIN関係者は、一部で権利上の問題から不安視されていた地上波中継に関して「放送します」と明言。これで舞台は整った…と言いたいところだが、メイウェザーが来日し、会場入りするまでは気が抜けない。いや、会場入りしてからも一悶着ある可能性は十分にある。しかし、そこは関係者が天心を全力で守らなければいけない。ルールはメイウェザー側の条件を“丸のみ”したのだから、天心にこれ以上余計なことを考えさせない最大限の配慮を“大人たち”にはしてもらいたいと切に願う。

取材・文・写真 / どら増田

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