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「悔しさを忘れずに」DeNA・石田、フル回転した選手会長の来季への誓い

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石田健大

 「今シーズンも大きな声援を頂き、ありがとうございました。今シーズンは2位という結果に終わってしまいましたが、選手一同悔しさを忘れず、来シーズンはリーグ優勝、そして日本一になるために、日々精進して参りたいと思います」。ファンフェスティバルで、選手会長として今シーズン奮闘した石田健大がファンに贈った言葉。ファンからは「頼んだよ!」などの激励と共に、「石田!一年間お疲れさま。ありがとう」と、労いの言葉も飛んでいた。それほど今シーズンの石田は獅子奮迅の活躍を見せた。

 怪我のため5月1日に一軍に合流してきた石田は、23試合登板で防御率1.82と手薄だった中継ぎとしての役割を立派に務め上げると、オールスター後にはスターターに転向。7月20日から8月24日の暑い最中、綺麗なマウンドで3勝、防御率2.76と見事なピッチングを披露した。更にその5日後には、チーム事情から再び中継ぎに配置転換。9月にはオープナーも経験すると、チーム史上初となったホーム横浜スタジアムでのクライマックスシリーズの初戦では、先発投手に指名され、味方のリードを守ってバトンを渡す好投。一人で何役もこなしチームを牽引した。

 ファンフェスティバルでのトークショーで、石田は自ら「大車輪でしたね」と振り返り、「中継ぎとして1か月半経って先発になった。ちょうど中継ぎの身体の作り方が分かった頃だったので、ちょっとしんどかった」と、正直に告白し、様々な起用には「監督には何も言えないので“ハイッ”と言った。来年はちょくちょく文句も言いながらやりたい」と、ユーモアを交えながら来季を見据えた。法政大学の先輩でもあるリリーバーの三島一輝も「石田じゃなかったらこのポジションはできない。野球選手として能力が高いから結果が出せる。スゴい」と絶賛していたが、それはファンもチームメイトも同じ思いだろう。

 今シーズンは投手陣の故障者、不調が目立ってしまった。その穴をチームとして埋めて行った結果、念願の2位でフィニッシュできた。その中でも貢献度が高かった石田は、来年もチーム状況によってフレキシブルな起用も考えられる。高いポテンシャルと悔しさを武器に、来年も左腕は与えられたポジションで輝き続ける。

取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘

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