白井オーナーは3日、都内で開かれたオーナー会議に出席。与田監督が応援歌「サウスポー」の「お前」という歌詞に不快感を表明し、使用を自粛する事態に発展していることについて、「『お前』は聞いている人が不愉快になる」「普通の言葉を使わなくちゃ」と、与田監督の主張を全面的に擁護し、使用自粛に理解を示した。
与田監督の不快感に端を発した「応援歌自粛」問題は波紋を広げており、連日テレビメディアでも取り上げられている。熱狂的な西武ライオンズファンで知られる小倉智昭は3日のフジテレビ系『とくダネ!』(フジテレビ系)内で、この問題について、「そんなことより、中日はもっと強くなることを考えたほうがいい」とバッサリ切り、「ライオンズでこんな話が出たらファンを辞める」と宣言している。
また、同日の『スッキリ』(日本テレビ系)でも、加藤浩次が「お前って言葉が出てくる歌って日本にどれだけあるのか」と苦言を呈し、ゲストの小島慶子も「『お前の頭はどこにある』というでんでん虫の歌も歌えなくなる」と皮肉とも取れる発言を行っている。世間は与田監督の論理を理解していないようだ。
当事者の与田監督はこの騒動について、「不本意な方向に行っている」「止めろとは言ってない。シンプルに名前でほしいだけ」と真意を説明している。しかし、現在のところ、「お前」に不快感を示す与田監督の主張を理解する人は、かなり少ない状況だ。
野球に詳しいライターはこう話す。
「日本のプロ野球は、私設応援団が選手別応援歌を作り演奏する文化があり、最近は、チャンスになると流す『チャンステーマ』なるものが存在します。
その歌詞の中には正直、選手が不愉快と感じるものもあり、選手からクレームが付いて人知れず変わったケースは多々あります。与田監督も、そんなノリだったんでしょう。
ところが、その理由が『お前って呼ぶな』と、少々軟弱とも思えるものだったため、失笑を買ってしまったのではないかと。選手思いの与田監督らしいとも言えますが、プロ野球の応援歌でも、『お前』はポピュラーで、何十年も前から使われてきました。
それを今更『不愉快』と言われても、ちょっと戸惑ってしまうし、『言葉狩り』しているような印象を持ちますね」
波紋が広がる「お前」問題。チームの指揮官が自粛を要請している以上は変更せざるを得ないだろうが、多くの人はその論理に違和感を覚えている。