報道によると、吉田は初勝利から一夜明けた13日に登録を抹消されるも、セ首位相手の投球が評価され、一軍帯同を継続。最短での再登録可能日である、23日中日戦へ向けた措置ではないかと指摘されている。
同戦で勝利投手となれば、球団では2005年のダルビッシュ有以来となる高卒2戦2勝。もちろん、見込み通りに登板するかどうかはまだ分からないが、これを受けたネット上には「本当に投げるならチケット取って見たい」、「2戦目も好投ならいよいよ本物だぞ」、「期待も高いけど気負わずに頑張ってほしい」といった声が数多く寄せられている。
一方、こうした声の中には、中日・根尾昂との対決を期待する内容のものも少なくない。昨夏の甲子園決勝で激突したこの両者が同戦で“再戦”となれば、高校野球ファンも含めて、非常に大きな話題となることはほぼ間違いないだろう。
ただ、ここまで二軍戦48試合に出場している根尾は「打率.161・1本塁打・12打点」とプロの洗礼を浴びており、守備でも両リーグワーストとなる13失策を喫している。攻守ともに一軍レベルにはまだまだというこの現状を見ると、早期の昇格はなかなか考えづらい。
また、根尾の一軍デビュー戦は、チームの営業面においてかなりの集客が期待できる切り札でもある。一部報道では既にチケットの9割が売れているという吉田の登板試合に重ねるよりは、しかるべき時に分散させた方がさらなる実入りが見込めることは想像に難くない。
昨年のドラフトで4球団が競合した根尾は、今後が期待される“金の卵”であり、チームは腰を据えてじっくりと育成に取り組んでいる。吉田との対戦を期待するファンも多いが、現時点では時期尚早といったところではないだろうか。
文 / 柴田雅人