インターネット上では「イチローにばっさり斬られたな」「記者のクオリティが低すぎる」「猛省すべき」と同じ質問をした記者への批判が相次いだ。
また、イチローがとある記者に「聞いてます?」と尋ねた時は、「記者がリアクションを取らなかったり、イチローの方を見ないでパソコンを見ていたりしたんだろう」と、会見場の様子を考える人もいた。
このような記者への不満があふれ始めると「イチロー記者会見の戦犯リスト」を作り、一部の記者の質問をさらす人も現れた。その中には「イチローにTシャツの質問をした記者」や、「『声が小さい』とイチローに言われた記者」、「『引退おめでとうございます』と言った人」などが含まれていた。
こういった記者に対し、インターネット上では「何考えてるんだ」「イチローに失礼」「記者が目立とうとしているように見える」と、さらなる批判が渦巻いた。
しかし、「『声が小さい』と言われた記者の人は、イチローをプロ入り当時から取材していて付き合いが長い。イチロー流のジョークなのでは」と反論する声も挙がった。さらに、日本では違和感があるが、メジャーリーグでは「引退おめでとうございます」という言葉を投げかけるのは、ごく普通に行われていることだという。実際、ヤンキースの公式ツイッターを見ても『おめでとう Ichiro』と書かれている。
これを受けてファンは、「批判している人は、さすがにメジャーを知らなさすぎる」「質問した人はアナウンサーで、MLB中継を長年務めている人だし、自然に出てきた言葉では」と、批判した人を逆に批判する流れも生まれた。
イチローの引退を受けて、千葉ロッテのブランドン・マン投手は「イチロー、おめでとうございます」とツイートしている。野球ファンの中には「引退おめでとうございます」という文化を見聞きして知っている人はある程度いたようだ。
イチローほどの選手になると、野球に詳しくない人も注目する。それだけに、イチローや野球の文化に詳しい人が誤解されて叩かれてしまった今回の記者会見。日米の野球文化の違いなど、考えさせられる結末となった。