妻のオノ・ヨーコ氏の別荘に近く、窓外の景色が故郷のリバプールに似ている、といたく気に入っていたらしい。
ジョンの泊まったのは、同ホテルのアルプス館・2階128号室。ここを拠点に、軽井沢銀座のフレンチベーカリーに子息のショーンとサイクリングで買い物によく行った。
キャピトル東急ホテル=旧ヒルトンの1005号室(プレジデンシャルスイート)は、1966年にザ・ビートルズが来日した際5日間滞在した部屋として知られているが、この瀟洒なたたずまいの万平ホテルがジョン・レノンの常宿だったことは、宿が宣伝をしないためあまり知られていない。
宿泊のお値段も夏季シーズンでも手ごろで、普通に泊まれるので、興味のある方は詳細まで問い合わせてみてはいかがだろうか。ちなみに、ほんの数万円(ジョン・レノンが泊まったと知らないで泊まる人が多いそうだ)である。
そのキャピトル東急ホテルは、ビートルズから始まり、“外タレホテル”の代名詞だ。マイケル・ジャクソンは、ダンスレッスンで同ホテルの部屋の床を汗で水浸しにまでした。それを見た従業員は、スーパースターの陰の努力する姿を垣間見て、困惑よりむしろ感動したのだという。
時代は移り変わり…というわけでもないだろうが、先ごろのチャン・グンソクとレディー・ガガの来日宿泊先は違った。両者奇しくも同じ、六本木のザ・リッツ・カールトン東京だった。
アイルトン・セナが生前最後に宿泊したのが、千里阪急ホテルのスイート。大阪駅前のヒルトンと比べて、瀟洒な邸宅風ホテルである。有名人は、ホテルからなかなか出られないので、一流ホテルという基準のほかに、ゆったり過ごせる雰囲気も重視するのかもしれない。…但しそれも、特別室が確保できれば、の話。例えばホテル・オークラの人気は、周辺の都会のオアシス的な静謐な雰囲気だけでなく、楽器の演奏を出来る秘密の練習部屋があったりもするからこその外タレからの多大な支持、だったりもする。
いずれにせよ、ジョンの泊まった時代ほどの行動の身軽さは、チャン・グンソクの居場所がどこにいても逐一ツイートされる今の時代には望むべくもないのかもしれない。