「2011年オフもオファーを出しましたと聞いています。友利氏を含めたそのグループは、今も球界全体に強い影響力を持っています」(ベテラン記者)
当時の巨人が声を掛けたのは、森繁和氏だという。落合博満氏が中日指揮官を退くことが決まり、投手コーチ、ヘッドコーチなどその右腕だった森氏も一緒に中日を退いた。森氏が巨人スタッフになることを辞退した理由は分からない。しかし、友利氏は森氏が切り開いたとされるドミニカ共和国など、中南米エリアのパイプを継承し、さらに自身がマイナーリーグに挑戦した経緯もあって、米スポーツエージェント会社にも詳しいという。
「優良外国人選手の獲得ルートを構築したい巨人にとって、うってつけの人物です。友利氏が巨人スタッフとなれば、森氏も後方支援してくれるはず」(前出・同)
“落合氏との距離感”も変わってくるだろう。落合氏は中日のゼネラルマネージャー職を退いた今日も、白井文吾オーナーなどから個別の相談を受けることもある。その信頼関係からして巨人に味方することはないだろうが、敵対することもしないはずだ。
「松坂大輔も友利氏のことを兄のように慕っています」(スポーツ紙記者)
友利氏を得ることによって、巨人はグラウンド外の大物とも良好な関係を築くことができるわけだ。
「メルセデスのように、これからは『外国人選手も育てていく』と聞いていましたが。育てるだけでは戦えないと判断し、今オフはヘラルド・パーラのような実績十分なメジャーリーガーも獲得したのでしょう。将来性のある若い外国人選手は現スタッフが見つけているので、友利氏には一軍戦力として活躍できる外国人選手の発掘を要請することになると思います。友利氏はベイスターズの投手コーチも経験しているので、中日、DeNAの内部にも詳しいはず」(プロ野球解説者)
石井琢郎新コーチには、広島、ヤクルトのことを…。対戦チームの情報を収集できる体制は整いつつある。友利氏が先発不足の弱点を埋めてくれたら、FA補強の失敗も帳消しということか。(スポーツライター・飯山満)