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ドラフト戦線異常アリ! 2014年のキーワードは「外れ1位」(埼玉西武編)

 ライオンズは『甲子園スター』と縁のある球団だ。清原和博、松坂大輔、菊池雄星、森友哉と超高校級と称された注目の高校球児を指名してきた。
 「実務的な指名になる」と今年の西武のドラフトを予想する声もあるが、甲子園スターも指名リストの上位に入っているらしい…。
 松本裕樹(盛岡大付高)。最速150キロ強&通算54アーチの大谷翔平に継ぐ“二刀流”だ。安楽智大(済美)、高橋光成(前橋育英)と比べ、ネームバリューはちょっと落ちるが、今年、もっとも高い評価を受けた高校球児は松本である。

 巨人・山下哲治スカウト部長、同・原沢敦球団代表兼GM、阪神・中村勝広GM、同・池之上格スカウト課長、広島・苑田聡彦スカウト統括部長、中日・中田宗男スカウト部長、DeNA・吉田孝司スカウト部長、ヤクルト・鳥原公二チーフスカウト、楽天・早川実スカウトグループマネージャー、同・福田功スカウト副部長、ロッテ・林信平本部長、同・松本尚樹編成統括、ソフトバンク・永山勝スカウト部長、オリックス・中川隆治チーフスカウト、日本ハム・山田正雄GM…。
 スポーツ新聞等で「何球団が見に来た」とスカウトの人数が報じられるが、松本に対しては編成トップ、スカウト部長クラスが自ら視察しているのだ。人事決定権を持つ球団要人をこれだけ集めた球児は松本だけである。「ヤクルトが1位候補に残している」(在京球団スカウト)との情報もあるが、近年、西武の1位指名はこの奥薗満編成部長が出向いている。菊池、森も直接視察した。その傾向からして、西武の1位は松本ではないだろうか。

 「投手・松本は良い意味で太々しい。走者を得点圏に背負うまでは力を抜いており、窮地になってから本気を出すというか…。甲子園を席巻したときの荒木大輔、水野雄仁もそうだった。二刀流の先輩である大谷クンは剛速球で力勝負を挑んでいたが、投手らしい投手は松本クンの方」(在阪球団スカウト)

 西武は9月24日にスカウト会議を開き、「指名は5、6人」と明かしている。指名リストには50人ほどが記載されたという。
 「西武サンは、地元埼玉の平成国際大に所属する佐野泰雄クン(左投左打)の視察に熱心だった」(前出・同)
 佐野はスリークオーター気味の投げ方で、変化球の持ち球も多い。関甲新学生野球連盟では1年から活躍していたので、他球団の地区担当スカウトも長く追い掛けてきた。新聞紙上では「直球とスライダーが良い」と紹介されていたが、西武を始めとする地区担当の各スカウトを釘付けにしたのは、佐野の『カーブ』だという。たしかに、緩急もあり、曲がり具合も大きかった。
 プロ野球スカウトの間には左投手を見定める基準の1つに、「カーブを上手に扱えるかどうか」というものがある。その条件をクリアした“稀少左腕”とも言えるが、四球で自滅する悪癖もある。変化球の種類によって、投球モーションが違うのは素人目にも分かる。腕の振り、そのスピードが明らかに違っていて、高校時代からチェックされていた彼が大学に進んだ理由はこのへんにあるのだろう。

 ほかに西武サイドから聞こえてきた情報では、指名が重複した場合は菊池、大石達也を引き当てた渡辺久信シニアディレクターが抽選のステージに立つという。松本への指名も重複は必至。有原航平(早大)、安楽智大(済美)、高橋光成(前橋育英)も1位候補なのはもちろんだが、加藤貴之投手(22=新日鐵住友かずさ/左投左打)に対しては、鈴木葉留彦球団本部長が「上位候補」と言い切っている(スポーツ報知/9月2日付)。高校生野手では健大高崎高・脇本直人(外野手)も指名リストに残ったそうだ。今年のドラフトでは、投手力のレベルアップをはかりたいところだが…。(一部敬称略)

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