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ドラフト戦線異常アリ! 2014年のキーワードは「外れ1位」(阪神編)

 有原(航平=早大)か、それとも、安楽(智大=済美高)か…。即戦力投手が少ないとされる今年のドラフト戦線において、阪神の1位選手の絞り込みでカギを握っているのは中村勝広GMだろう。言うまでもなく、編成トップであり、早大出身ということで有原に関しては他球団以上の『情報収集ルート』を持っているはず。しかし、阪神スカウト陣が比重を置いてきたのは安楽の方である。
 「魅力溢れる投手。パワーピッチャー。オレは好きなんだ!」
 中村GMは今年6、7月の同校の練習試合にも足を運び、記者団にそう答えていた。安楽は右肘の故障から復帰したばかりだった。編成トップのラブコールから考えるに、阪神は「有原よりも安楽」と見ているのではないだろうか。

 中村GM自ら視察した投手が、もう1人いた。北海道六大学リーグの風張蓮(東農大北海道/右投手)だ。「カザハリ」と聞いて、ピンと来たドラフトフリークも多いのではないだろうか。斎藤佑樹(現日本ハム)、大石達也(現西武)など大学生投手の当たり年と言われた4年前、「岩手に粗削りの速球投手がいる」とも報じられた“剛腕”だ。こちらも中村GM好みもパワーピッチャーではあるが、他球団スカウトも東農大北海道に進学してからも追い掛けてきた。「上位指名候補」という言い方をするスカウトも多く、おそらくは阪神以外も『外れ1位』にリストアップしてくると思われる。

 「日大の左腕・戸根千明も上位候補と見ていい。スリークオーター気味の投げ方で、ちょっと変則の投手です。体重90?強のレスラー体型、クイックが早くないものの、9月下旬の秋季リーグ戦で急に彼を再チェックし出した球団もありました」(スポーツ紙記者)

 9月29日東都二部リーグ戦に7球団が視察に訪れたと報じられていた。とくに熱い視線を送っていたのが阪神である。
 また、阪神二軍は京都大学と練習試合を行い、同大学の田中英祐(右投手)を「ホレ直した」とも言う。「関西学生野球連盟ではトップ投手」と評するスカウトも多く、こちらも最速149キロの剛腕タイプだ。九州産業大の左腕・浜田智博、金沢星稜大の右腕・江口大樹もリストアップされたと聞く。
 江口は阪神二軍との交流戦でリリーフ登板し、1イニング2奪三振と“結果”を出した。
 風張以下の指名候補を改めて見てみると、ストレートに特徴のある投手ばかりだ。一軍投手でストレート勝負のできる投手は、藤浪、呉昇桓だけ…。中村GMがパワーピッチャーにラブコールを送るのはその影響だろう。

※江口大樹投手(金沢星稜大)は10月8日時点で『プロ志望届』を出しておりません。

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