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ペナント終盤戦で見えてきた セ界は火のクルマ!(DeNA編)

 DeNAベイスターズが中村紀洋(41)、藤井秀悟(37)ら有名どころを含む12選手に『戦力外』を通告した(育成を含む)。一度に12選手を同時解雇したのも驚きだったが、解雇リストには、旧ベイスターズ最後のドラフト1位投手・北方悠誠(20)、11年夏の甲子園で大谷翔平(当時2年)のいる花巻東と投げ合った伊藤拓郎(21)、千葉県高校野球関係者の間では「東京学館浦安出身の石井一久にも勝るとも劣らない」とその才能を高く評価されていた左腕・真下孝之(23)の名前もあった。

 20代前半の若い投手にも見切りを付けたわけだが、この『非情解雇』にはDeNAのチーム改造計画も秘められていた。
 「12人の解雇選手のうち、11人が投手です。ドラフトは投手中心の指名になると思われますが、FA市場への参戦、大型トレードも次々に仕掛けていくものと思われます」(プロ野球解説者)
 先発ローテーションの主軸が山口峻(05年高校生ドラフト1位)、最多出場捕手・黒羽根(05年同3位)、二遊間・石川雄洋(04年6位)、飛雄馬(11年7位)、白崎浩之(12年1位)、中堅・桑原将志(11年4位)…。センターラインに生え抜き選手が出てきて、結果を残している。あとは主砲と、三浦大輔、久保康友、モスコーソに続く骨太な先発投手が2、3人出てくれば、優勝を狙えるチームに変貌する。
 「DeNAは球団買収から3年でチームの骨格ともいえる『センターライン』を作り、今年度の観客収益もアップしています」(同)

 収支増は中畑清監督(60)の人気によるものだ。来季の続投が明確になったのは10月2日。少々、ゴタ付いたようである。
 「シーズン後半、フロント要人が中畑監督にそれとなく続投の方向を示すなど、サグリを入れていたようです。中畑監督にその熱意は伝わっていて、来季に臨む覚悟もできていました」(球界関係者)

 中畑監督はCS進出を公約に挙げ、それを果たせなかった場合、「責任を取る」とも示唆してきた。実際、CS進出争いにも敗れ、4位に終わるのならまだしも、僅差で中日に抜かれて5位。中畑監督の方から「来季も!」と言い出しにくい状況にあった。しかし、正式な続投表明が遅れた理由はそれだけではない。
 「高田GMですよ。高田GMが辞めて自分だけ(DeNAに)残るなんてことができない、と…」(前出・同)
 高田繁GMは70歳を迎える。年齢的理由がいちばんだが、山下大輔氏を『副GM』に就任するなど、DeNAは旧ベイスターズOBの帰還に積極的なことを察していた。マスコミに自身の去就を聞かれる度に「何も聞いていない」と言いつつも、必ず口に出すのは「1年1年が勝負」の言葉だった。
 「自身が獲得に奔走した久保康友が11勝を挙げ、モスコーソも活躍し、キューバとのパイプ作りにも尽力しました。GMとして結果を出したが、それがペナントレースの勝利に結びつかなければ『お役御免』になって仕方ないという心境だったと思います」(同)

 高田GMもグラウンドに顔を見せることが多い。その目的は中畑監督と戦況を話し合うためだが、「もし決めていることがあるなら、言ってください。あなたは私を監督にした人。その私に黙って自分だけ格好良く辞めたりしたら…」と、訴えられていたそうだ。DeNA首脳陣は中畑監督を慰留させる近道は「高田GMも引き止めること」と判断した。
 中畑−高田ラインは生え抜きの主砲を作りたいと思っている。だが、編成スタッフの大多数は「投手優先の補強」を考えている。11人もの投手を解雇したのはその布石であり、見方を変えれば、高田GMの構想とは違う方向を他スタッフは向いているのかもしれない。

 山口峻も実はメジャー挑戦の気持ちを強く持っており、今オフの契約更改の席でそれを訴え出る可能性も高いという。高田GMも投手の補強の必要性を感じているが、他スタッフと優先順位が違うのだ。
 山口の抑えてきた気持ちが爆発した場合、高田GMも『投手補強優先』を唱える他スタッフに折れなければならないだろう。高田GMのメンツが潰されるようなことになれば、中畑監督はどう考えるだろうか。

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