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ペナント終盤戦で見えてきた セ界は火のクルマ!(広島東洋編)

 今オフ、広島東洋カープは大きな転機を迎える。エース・前田健太(26)のポスティングシステムによる米球界挑戦が有事となっても、『変革の火ダネ』はそれだけではない。今季、広島は途中加入のデュアンテ・ヒース(29)を含め、4投手2野手の6人の外国人選手を抱えた。昨季のキラもそうだったが、近年の広島はシーズン途中に外国人選手を“ピンポイント補強”している。予定していた選手の不振、故障による弱点を補うためであり、他球団は7月末のトレード期限間際に駆け込みトレードをまとめ、広島は外国人選手に活路を見出しているわけだ。

 「9月23日の東京ヤクルト戦(神宮)は、今年の広島を象徴する試合でした。先発のヒースが好投し、ロサリオがダメ押しのアーチを放って…。投打の外国人選手が揃って活躍しました」(プロ野球解説者)
 ドミニカ共和国のカープアカデミーで育てたロサリオが活躍し、途中獲得したヒースが好投。ドラフト指名で集めた生え抜きの野手陣がハツラツとしたプレーを見せてくれた。
 育成、編成、渉外。球団組織が機能し、チームを強くしていく。

 一般論として、プロ野球チームの監督、コーチはシーズン途中での外国人補強をあまり好まない。変化球の多い日本の野球スタイルに適応できるかどうか、分からないからだ。他球団に在籍した外国人選手と再契約するチームがなくならないのも、「爆発的な活躍は期待できないが、確実な計算(成績)が立つ」からである。
 爆発的な活躍−−。日本球界未経験の外国選手が打つと、チームは勢いづく。広島はライネル・ロサリオ(25)の扱いが難しくなるのではないだろうか。
 広島の渉外担当も優秀なのだろう。

 しかし、ロサリオの経歴は他の広島在籍の外国人選手と異なる。ドミニカ共和国の野球学校・カープアカデミーの出身なのは既報通りだが、“入学当時”のことはあまり知られていない。
 ロサリオはカープアカデミーに入学するきっかけは、カージナルス2Aを解雇されたからだった。行き場を失い、「他に選択肢がなかった」という。
 「メジャーリーグ28球団がドミニカ共和国で野球学校を運営しています。近年、メジャー球団のアカデミーは資金力にモノを言わせ、有望な人材を確保していました。カープアカデミーはその過当競争で厳しい局面に立たされていたと聞いています」(球界関係者)
 メジャー各球団が人材育成に巨額金を投入しているのも有名な話。有望な人材には“支度金”が用意されるともいう。支度金が出る方と出ない方のどちらに入学するかは、聞くまでもないだろう。支度金を得たエリートはマイナーリーグを経て、メジャーリーグに昇格していく。エリートの全員が活躍しているとは言い切れないが、昇格の実績が多ければ多いほど、自分たちのアカデミーの宣伝にもなる。将来のメジャーリーガーを夢見る若者たちも自ずと集まってくるというわけだ。
 「2012年、カープアカデミーは選手が4人しかいなかった。13年は15人ほどの投手候補が入学し、学んでいましたが」(前出・同)
 2Aを解雇された無名選手が日本で活躍している−−。無名だったロサリオの活躍は現地で衝撃を与えたそうだ。ロサリオの出現はカープアカデミーの経営的危機も救ったのである。

 「ロサリオのことは現地でも伝えられています。ロサリオの出場機会が増えれば、カープアカデミーへの入学を希望する若者も増えていきます」(同)

 広島は“余剰戦力”が増えることを嫌う。一軍登録できる外国人選手は「4人まで」。バリントン、ミコライオ、フィリップス、キラ、エルドレッド、ヒース。ロサリオを含めた7人をどう使い分けていくのか…。
 「広島が所属外国人を手放すのなら、他球団が放っておきませんよ」(在京球団職員)
 ライバル球団に優良外国人選手をくれてやるようなものだ。

 エース前田の退団に備えた先発投手の補強も急務だ。今秋のドラフト会議で“即戦力投手”の指名に失敗した場合、大物メジャー投手の獲得に動くとの情報も交錯している。

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