search
とじる
トップ > スポーツ > ペナント終盤戦で見えてきた セ界は火のクルマ!(阪神編)

ペナント終盤戦で見えてきた セ界は火のクルマ!(阪神編)

 原巨人が優勝を決めた9月26日、阪神は2位広島との死闘を繰り広げていた。ペナントレースの勝敗が決定しても、和田豊監督(52)は若手をテストするなど来季に向けた“捨て試合”ができない。理由はこのまま3位で終わるのと2位に上がるのとでは「天と地ほどの違い」があるからだ。2位に浮上すれば、クライマックスシリーズ第1ステージの主催権が転がり込んでくる。
 「第1ステージの主催権を取れば、最大3試合の興行収益が転がり込んでくる。球場の収容人数によって異なるが、10億円くらいの収支が見込めます」(球界関係者)
 10億円が入ってくるのとそうでないのとでは大違いだ。阪神経営陣が和田監督以下全選手にハッパをかけたのはそのせいだろう。

 だが、同日のスタメンを見て、阪神のチーム編成がいかに偏っているかが再認識させられた。スタメン・三塁は坂克彦(29)だった。西岡剛(30)はまだ万全ではなく、打撃職人の今成亮太(26)は、この時期に来て故障。ベテラン・新井貴(37)もピリッとしない…。坂には失礼だが、CS第1ステージ主催権獲得のため、もう1つも取りこぼしのできない状況で、攻撃力がワンランク落ちたような印象を受けた。
 中村勝広GMが前西武、アスレチックス2Aの中島裕之(32)の獲得に積極的な理由は、ここにあるようだ。
 しかし、阪神がベストメンバーを組めるのであれば、二塁には今季ブレークした上本博紀(28)、遊撃には鳥谷敬(33)、途中から三塁にコンバートされた西岡がおり、一塁のゴメス(30)、三塁と一塁の両方を守れる今成、さらに新井兄弟、代打で活躍している関本賢太郎(36)、二軍にも将来を嘱望されている北條史也(20)が控えている。中島獲得に執着する必要はないように思うが…。

 そんな編成スタッフの動きを知ってか、キナ臭い情報も飛び交っている。
 「西岡は二塁を守りたいと思っています。かれが故障欠場していたペナントレース前半、代理二塁手の上本がブレークし、復帰後、和田監督が選択したのは『二塁・上本、三塁・西岡』の布陣でした。不慣れな三塁守備に、西岡は『自分は本当に必要とされているのか』と疑問に思っている」(前出・同)
 西岡も今季終盤、国内FA権を取得した。千葉ロッテ時代は遊撃手、大リーグ・ツインズでは併殺プレーを防ぐ一塁走者の激しい体当たりに苦しんだが、二遊間の守備位置に強い執着心とプライドを持っている。
 和田監督は西岡を三塁にコンバートするにあたって、十分な話し合いをしていない。
 「昨年オフ、中村GM以下編成スタッフは中田賢一、鶴岡慎也のFA交渉に気を取られている間、久保康友(34=現DeNA)が『本当に自分は必要とされているのか』と起用法に疑問を感じていたのを見抜けませんでした」(同)
 久保は自身の働き場を求め、FA権を行使した。しかも、中田、鶴岡のFA交渉にも失敗し、トラの編成は最悪の結末となってしまった。

 外部補強の全てを否定するわけではない。坂も数少ないチャンスをモノにしようと必死であり、その機会を与えた和田采配はむしろ評価されるべきである。阪神編成スタッフは補強を予定しているプレーヤーとポジションが被る在籍選手と話し合うべきであり、その順番を間違えば、どんなに優秀な新監督を迎えても勝てないだろう。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ