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ドラフト戦線異常アリ! 2014年のキーワードは「外れ1位」(広島東洋編)

 メジャー挑戦が『規定路線』とされる前田健太(26)の後継者−−。昨季、大学ナンバー1投手・大瀬良大地(23)の獲得に成功したが、今年のドラフトも『即戦力投手』を1位指名するという。
 その“選択”は難しいようだ。
 9月28日、広島は体裁のスカウト会議を開いた。関係者によれば、「1位候補は4人までに絞り込んだ」とのことが、
 「もう一度、10人くらいまで(候補を)増やすことになりそうだ」
 ともこぼしていた。

 『スカウト部長、もしくは地区別のトップが視察した』の定理から推測すると、おそらく、9月28日時点で絞り込んだ4人とは、有原航平(早大)、山崎福也(明大)、石田健大(法大)、昨夏の甲子園優勝投手・高橋光成(前橋育英)だろう。
 「広島スカウト陣は高橋を高く評価しています。昨年夏の時点で『1年目から(一軍で)使えるかも』と見ており、単独指名もあり得る状況でした。その高橋が『18-U日本代表』で一気に評価を上げたので、仮に高橋で1位入札したら、競合は避けられません」(ライバル球団スカウト)
 広島は8月時点で「約60人のスカウトリストを作り終えていた」とも聞く。うち、34〜36人を上位指名候補と位置づけており、「4人まで絞り込んだ候補者をまた増やす」のは、その30数人の候補者の力量をさらに調べ直すという意味だろう。有原、山崎、石田も重複が避けられず、『本命』(=入札競合)と『外れ1位』の格差を把握しておきたいと考えているようだ。

 広島が“追い込み調査”を掛けていると思われる投手は、山崎康晃(亜大)と金子丈(大阪商業大)。だが、金子は「中日スカウトが3人体制で追い掛けてきた」(前出・同)との情報もあるだけに、“2回目の入札”ではまず残っていないだろう。
 10月3日の関西六大学野球リーグ戦に先発し、5回途中で降板している(7失点)。
 「広島新庄の左腕・山岡就也も繰り上げてくる可能性がある。同校には昨年まで田口麗人(現巨人)がいたために目立ちませんでしたが、高校生ではトップクラスの投手です。下半身がまだ細いので、体力的に見て即戦力とは言い難いが、その分、伸びしろもある」(前出・ライバル球団スカウト)
 その山岡を含め、広島は別の意味でも難しい選択を迫られている。有原は広陵高、法大・石田も広島工の出身なのだ。“市民球団”として、地元出身の好投手を流出させるようなことになれば、ファンに『お叱り』を受けるかもしれない。石田は150キロ台の剛球を投げ込む。「投球に幅がなく、プロで長いイニングを投げるのは厳しい」の声もあるが、速球派左腕は少ない。
 絞り込んだ1位候補は、重複必須。地元出身の好投手が3人。早めにツバを付けておいたはずの高橋に、他球団が横やりを…。広島は例年以上に難しい最終選択を迫られるだろう。横浜高の浅間大基外野手をマークしているとの情報もある。外れ1位まで掻っさらわれるような事態になれば、この浅間を繰り上げるのではないだろうか。

 石原、倉の年齢を考えると、26歳の会沢翼に続く正捕手候補を指名すべきだと思うが…。

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