県議時代の政務調査費の返還に応じない問題で、県はサスケ氏の財産を差し押さえる方針を固め、近く盛岡地裁に申し立てることが分かった。
サスケ氏は03年4月に、岩手県議選でトップ当選したが、05年度の政務調査費の一部である約276万円が、みちのくプロレスの人件費や事務所費に使われたとして、仙台高裁が昨年7月、返還させるよう県に命じていた。
再三の督促にサスケ氏が応じないため、県は盛岡地裁に提訴。同年12月13日の第1回口頭弁論にサスケ氏は出廷せず、答弁書も出さなかったため、同地裁が全額の支払いを命じる判決を言い渡した。
県は1月中旬、同月内の支払いを求める催告状を郵送したが、いまだに返還されないため、差し押さえに踏み切る。対象となるのは、経営するみちのくプロレスでの役員報酬などになるとみられている。
プロレスライターのA氏は「プロレス界は不景気で、みちのくプロレスも例外ではなく、決していい状況とはいえません。役員報酬を差し押さえるといっても、全額回収できるのかは、はなはだ疑問です。サスケ氏は団体のトップであり、一度は県議も務めたわけですから、県と話し合って、分割で支払うなどの措置ができなかったのでしょうか。この結果は、大変残念です」と語っている。
近年のサスケ氏は、電車内で携帯電話のカメラ機能を使って写真を撮ろうとした男性に、暴行をはたらいたとして逮捕されたり、覆面制作費や住宅ローンの未払いで訴訟を起こされたりでトラブル続き。財産差し押さえという最悪の事態は、避けてほしかったが…。
(落合一郎)