エイジ氏は覆面姿で選挙活動を行い、当選したにもかかわらず、3月11日に始まった大分市の3月定例議会で、議場に入ることができなかった。職員から「覆面での入場は認められていない。ご遠慮下さい」と止められたエイジ氏は、午前中の本会議終了まで延べ2時間近く、議場入り口前に立ち続けた。新たな正副議長選出の投票にも参加できず、午後に開かれた所属する総務常任委員会にも出席できなかった。
着用不許可の方針は、6日の会派代表者会議が「議場などに入る者は帽子やつえの類いを着用、携帯してはならない」との規則に反するとして、圧倒的多数で議決。「品位を損なう」などとして、覆面での入場を認めなかった。事務局は11日の開会直前まで、素顔で出席するよう説得を続けたが、エイジ氏は拒否した。
エイジ氏は「悔しい。覆面を取れば全く別人になってしまう。今後も取らない」「2828人の支持を無視するのか」と抗議。
エイジ氏の代理人弁護士は11日午後、入場禁止の撤回などを求める申し入れ書を、板倉永紀議長あてに提出。18日までに具体的回答がない場合は、法的措置も検討するとしている。
覆面議員はエイジ氏で3人目。これまで、元岩手県議のザ・グレート・サスケ氏、昨年9月に大阪府和泉市議となったスペル・デルフィン氏の例がある。サスケ氏の場合はすったもんだの末、覆面着用が認められた。デルフィン氏は当選当初から柔軟な姿勢で臨んだ結果、比較的すんなり受け入れられた。
ハッキリ言って、全国区の人気プロレスラーであるサスケ氏やデルフィン氏と違って、エイジ氏には2人ほどの知名度はなく、その点で不利になっている可能性も秘めている。エイジ氏が覆面着用を認めてほしければ、強硬手段より、話し合いで解決への道を探る方が得策とも思えるのだが…。
(蔵元英二)
写真:ザ・グレート・サスケ