9月11日投開票の岩手県議選で盛岡選挙区(定数10)に、無所属で出馬したみちのくプロレス社長のザ・グレート・サスケ氏(42)は、16人中14位の4035票で当選ラインにはほど遠く、約3000票も足らず、惨敗を喫した。
サスケ氏は地元東北ではカリスマ的存在として、プロレスで活躍。選挙初挑戦となった03年4月の岩手県議選では、同選挙区から無所属で立候補し、見事トップ当選を果たした。覆面着用のまま、議会に登院するなど話題を振りまいた。
しかし、05年にプロレス会場への移動交通費を、政務調査費から流用したとの疑惑が出たあたりから、ミソをつけた。
07年4月には議員辞職し、岩手県知事選に臨んだが大敗。その後、プロレス界に本格復帰したものの、電車内で携帯電話で写真を撮ろうとした男性に暴行をはたらいたとして逮捕されたり、覆面制作費や住宅ローンの未払いで訴訟を起こされたりでトラブル続きだった。
同じ選挙区で、8年前のトップ当選から惨敗へと転落したサスケ氏。これは、岩手県民が下した審判。サスケ氏自身、選挙運動を通し、前回とは違って手応えのなさを感じ取っていたようだ。
サスケ氏はこの敗戦を真摯にとらえ、まずは本業であるプロレスに、より一層精を出すことが、今与えられた使命なのだろう。プロレスラーとしての輝き、一人の人間としての信頼を取り戻したとき、再びチャンスは訪れるかもしれない。サスケ氏には今後の精進を切望したい。(落合一郎)