そんな猫への愛が歪み、犯罪者となってしまったのが、神戸市長田区に住む2016年当時70歳の男性だ。70歳の男は2016年2月27日、神戸市中央区のホームセンターを訪れると、キャットフード9缶を万引き。動機は不明だが、おそらく、愛猫に与えるためだと思われる。
何食わぬ顔で店外に出たところで、犯行に気づいた店長らが呼び止めると、男は急変。店長にキャットフードの缶を投げつけると、別の店員にはまるで猫のように手に噛み付く大立ち回り。もちろん、事後強盗罪の現行犯で逮捕された。
この犯罪にネットの声は厳しく、「まるで野良猫のようなじいさん」「いくら猫がかわいいと言っても盗みはだめでしょ」「猫もそんなことは望んでない」「いい年をして何をしているのか」と、容疑者を糾弾する声が並ぶ。
一方で、「キャットフードを食べようとしていたのかも…」「猫になりきちゃったのかな…」「前世は猫だったのかも」「元横綱の輪島さんはキャットフードを食べていた。この男も好物だったのかもしれない」といった、ネタ的な見方をするネットユーザーもいた。
猫に良いキャットフードを食べさせたかったのか、それとも単純に自分が食料としてほしかったのか。2019年現在も詳細はわかっていない。
高齢者の万引きは昨今多く発生しており、社会問題化している。その原因は孤独化や、収入の減少による貧困化と言われる。
消費増税は「社会福祉」目的だったはずだが、現在ウヤムヤとなっており、今後も生活に困窮する高齢者が増え、犯罪も増加する可能性が高い。何らかの対策が必要だ。
文・櫻井哲夫