とにかく観客が多くて前の方に陣取っていなければパレードは全く見えない。知人も「全く見えなかったのですぐに帰って来てしまった」と言っていた。日本人の姿もちらほらとあり、着物姿の日本人女性もいた。見るところ参加者の多くは大学生からせいぜい30代まで。ハロウィーンは子供と若者のお祭りなのだ。
1ブロック歩くにも人ごみをかき分けて進むので通常の5倍の時間がかかる。
スタートポイントがあまりに込み合っているので13丁目の6と7番街のレストランに行こうとウェスト4丁目に移動したが事情は変わらず人、人、人で身動きが取れない。人の流れの悪さに拍車をかけているのが警察が設置したバリケード。このせいで向かいの道に渡る事すらできない。アメリカ人も「通してェ」と絶叫しているが警官はグルッと迂回しろと冷たい。その舌の根が乾かないうちに近くのバリケードが開けられて通る事ができるようになった。全く統制が取れていないぞ! NYPD。
パレードが通る6番街を避けて5番街に回ってみたがこちらも込んでいる。
通常のパレードなら道を渡れるようになっているのだがこのパレードは6番街を横切る事は到底不可能。レストランに行くのは断念した。
気持ちの悪いメークアップや工夫を凝らした仮装などは楽しかったが、次回はパレードを見ようなどと大それた気は起こすまい。
私はと言えば、おそらく一番有名な日本人女性であるヨーコ・オノに似ていると言われた事が以前あったので、ロングヘアーのウィッグにソフト帽、丸いサングラスを鼻メガネにして出かけたところ、あちらこちらで「ヨーコ!」と声をかけられ、一緒に写真を撮ってください、とまで言われ、自分でも段々その気になって来て、「ジョンはあなた方と一緒にいるわ」とか「ジョン・ラブズ・ユー」などと調子に乗って口走ってしまった。ちょっとしたセレブ気分を味わったが、ホームレスに「ヨーコ! 小銭を恵んでくれ」と言われたのには苦笑してしまった。
このパレードの大きな問題点は夜なので寒くて暗くて見えない点、警察の交通規制がなっていない点。寒い、見えない、動けないがハロウィーンのキーワードだった。(セリー真坂)