◆「笑ってはいけない」ライブじゃなく「笑えない」ライブだったんだよ!
<Q>
お笑いライブを見に行ったけど、すべての観客がクスリともせず超つまらなかった。チケット代・交通費は返ってくる? 関係者出てこ〜い!
「笑ってはいけない」シリーズではなくて、リアルに笑えなかったと話してくれた相談者。そこで、テレビ番組でお笑い芸人とカラミも多い佐藤大和弁護士に聞いてみました。
<A>
ある意味すべての観客がクスリともしないお笑いライブの方がすごいですね。そのライブ、ぜひ見てみたいです(笑)。
さて、今回のご相談の場合、もしかしたら関係者が出てきて、謝罪はあるかもしれませんが、チケット代・交通費を請求することは難しいといえます。
法律上、何か契約違反があれば、お金を請求できる場合はあります。しかし、たとえ「お笑いライブ」という名目でライブをしていても、観客が笑うほど面白いという保証はありませんし、芸人さんの「腕」や観客にもよって笑いが起きないことも予想されます。また、すべての観客がクスリともしていなかったとしても、もしかして観客のなかには心のなかで大笑いしていた人がいたっていう可能性もありますよね。
そのため、たとえ、一見誰も笑わなかったとしても、それだけ契約違反ともいえないため、チケット代や交通費分のお金を請求するのは難しいでしょう。
もうこれは、世にも珍しいお笑いライブを見たと思ってあきらめてもらうしかありませんね。
【弁護士プロフィール】
佐藤大和(さとう・やまと)弁護士
立命館大学法科大学院卒業。司法修習第63期。東京弁護士会所属。子どもの将来を守るための法教育に注力する一方で、弁護士を身近にするべくテレビ・雑誌などに多数出演。静岡英和学院大学短期大学部の非常勤講師として「生活と法律」の講義をわかりやく教えている。公式ブログ「大和魂で行こう!」も更新中。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/