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野球選手のももクロパフォーマンスって著作権的にどうなの?

 身近な世相から事件、芸能、スポーツ、格闘技にいたるできごとで「これって法律的に大丈夫なの?」「こんなトラブルどうにかなんないの!」という疑問ってありますよね。それをリアルライブが支店数日本最多の弁護士事務所「弁護士法人アディーレ法律事務所」の敏腕弁護士たちに質問して解決策を探していこうという企画。今回は、ももクロちゃんに関わるこんな話。

<Q>
 野球界にも「ももクロ」ブーム。選手が活躍すると、ももクロちゃんのパフォーマンスをマネしてるけど、あれって著作権的にマズかったりしないの?

 ホームラン打ったあとのベンチ前で、最近どの球団の選手でも確かにやってますねえ、ももクロちゃんのパフォーマンス。でも、ファンがも楽しんでるし、心情的にはOKなんじゃない? 著作権に詳しい島田さくら弁護士に聞いてみた。

<A>
 私は九州出身(熊本)でホークスには愛着がありますが、松田選手や寺原選手は私より年上なのにもももクロを応援するなんて、心が若いですね。
 さて、ダンスの振付けも、顕著な特徴を有する独創的なものであれば、「舞踏の著作物」として著作権法上保護されます。なので、選手が、ももクロの振付師の許可を得ずに、観客の前で、ももクロの振付けをマネすれば、振付師の「上演権」を侵害する可能性があります。

◆振付師の「上演権」を侵害する可能性

 ダンスの振付けを考えたのは振付師なので、著作権を持っているのは振付師であり、ももクロのメンバーではありません。ですので、たとえ、ももクロのメンバーがOKしたとしても、振付師の許可がなければ著作権侵害になってしまうんです。

 とはいえ、刑事事件になったり、損害賠償請求の話になったりするのは、著作権者である振付師が選手の行為を問題視した場合の話です。実際には、大きな問題とまではならないでしょう。

 ももクロはかわいいので、マネしたくなる気持ちはよくわかります。我が息子も、物心がついてきたら「モノノフ」になっちゃいそうです。


 振り付け師に異議を唱えられたら「アウト」ですね。

【弁護士プロフィール】
島田さくら(しまだ・さくら)弁護士
大阪大学大学院高等司法研究科卒業。司法修習第65期。東京弁護士会所属。
元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられるなど、過去のオトコ運の無さからくる、波乱万丈な人生経験をもとに、悩める女性の強い味方として男女トラブル、債務整理、労働問題などの身近な法律問題を得意分野として扱う。また2級知的財産管理技能士の資格も有する。家庭では1歳の男の子の子育てに奮闘している、シングルマザー弁護士。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 http://www.adire.jp/

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