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酔った勢いでカノジョにプロポーズ、そのまま婚姻届を出してしまった。朝目覚めて後悔…婚姻無効になんてできないよね?

 身近な世相から事件、芸能、スポーツ、格闘技にいたるできごとで「これって法律的に大丈夫なの?」「こんなトラブルどうにかなんないの!」という疑問ってありますよね。それをリアルライブが支店数日本最多の弁護士事務所「弁護士法人アディーレ法律事務所」の敏腕弁護士たちに質問して解決策を探していこうとい企画。今回は、お酒の失敗と結婚にまつわるこんな悩み。

◆酩酊状態だったときの行動は“ノーカウント”!?

<Q>
 付き合い始めて1か月、酔った勢いでカノジョにプロポーズ、そのまま婚姻届にサインしてしまった。すると、その気になった彼女は翌日、区役所に婚姻届を提出してしまった。朝目覚めて後悔。やっぱり婚姻関係はナシにしたい。カノジョは嫌がっているけれど、婚姻関係をなかったことにできるの?

 この相談者さん、酔っぱらうと記憶がなくなるそうなんです。彼女はそれを知っていた可能性もあるけど…。相談者さんは「結婚するつもりがないのに出されてしまった」そうです。そこで離婚訴訟などに詳しい篠田恵里香弁護士に聞いてみました。やっぱり泥酔しての行動は…

<A>
 婚姻届が受理された以上、何もしなければそのまま「結婚した」という扱いになってしまいます。役所の運用上、婚姻届に形式的に「夫婦2人の署名押印」がなされていれば、その他不備がない限り、受理されてしまうのが現実です。
 ただ、婚姻の成立には、届出時点において、お互いに「結婚しよう」という意思が必要とされています。したがって、今回のように「結婚するつもりがないのに出されてしまった」婚姻届は無効です。
 受理された婚姻届について、婚姻を無効とする場合には、家庭裁判所の手続を経ねばなりません。婚姻無効の調停や裁判といった法的手続きにより、「婚姻無効」という判断をもらい、役所の手続を踏んで初めて婚姻届が無効になります。彼女が「お互い結婚するつもりだった」と主張して譲らない場合には泥沼裁判になり、戸籍を戻すまでかなりの長期戦となってしまいます。
 ちなみに、酔っぱらった勢いとはいえ、自分自身が役所に出向いて婚姻届を提出した場合には、さすがに「結婚するつもりはなかった」という言い訳は通用しない可能性が高いので気をつけてくださいね。

 酔っぱらって気が大きくなったとはいえ、行動は慎重に…。


【弁護士プロフィール】
篠田恵里香(しのだ・えりか)弁護士
学習院大学法科大学院卒業。司法修習第61期。東京弁護士会所属。東京を拠点に活動。男女トラブル、交通事故問題などを得意分野として多く扱う。また、離婚等に関する豊富な知識を持つことを証明する夫婦カウンセラー(JADP認定)の資格も保有している。文化放送「ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB」ほか、多数のメディア番組に出演中。
所属事務所:弁護士法人アディーレ法律事務所 http://www.adire-rikon.jp/

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