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優勝カウントダウン 球団創設9年目の初栄冠でも喜べない楽天の金銭事情

 星野楽天が球団創設以来、初となるマジックナンバーを点灯させた(8月28日)。その原動力は、何と言っても連勝記録の日本新記録を更新させたエース・田中将大投手だろう。
 「ジョーンズ、マギーの両外国人の存在も大きいですよ。2人が結果を出しているので、銀次を3番に、桝田慎太郎を6番に固定させることができました。生え抜きの若手の成長も見逃せません」(プロ野球解説者)
 4番・ジョーンズ、5番・マギーの両外国人選手は星野仙一監督の『強い要望』で獲得したという。この2人はメジャーでの実績も十分だが、過去、楽天は“外部補強”にあまりお金を掛けていなかった。「このままでは勝てないという同監督の切実な叫びが、シブ賃のフロントを動かしたのだろう。

 しかし、喜んでばかりはいられない。“V功労者”である田中、両外国人選手の去就が懸念されている。
 「時間切れとなれば、田中のポスティングによる今オフの米挑戦は翌年以降の持ち越しとなります」
 海外FA権をまだ取得していない田中にとって、現段階で米挑戦を果たすには『ポスティングシステム』を活用するしかない。しかし、同制度がメジャーリーグ側の破棄によって昨年12月に失効してしまったのは既報通り。入札金の高騰化が破棄された主な理由だが、NPB側は新制度(もしくはルール改定)の早期設立を目指しているが、有名メジャーリーガーの薬物使用疑惑もあって、米国側との協議は進んでいない。8月下旬時点で、「今年度中の新制度設立はムリ!」との見方が圧倒的だ。

 そうなった場合、田中は楽天に残ることになるが、こんな指摘も聞かれた。
 「今季終了と同時に、田中との3年契約が切れます。球団は『3年12億円プラス出来高』の契約を交わしていましたが、慰留させるとなれば、年俸は一体、いくらになるのか…」(前出・プロ野球解説者)
 今季の活躍からして、単年4億円の年俸が2倍増で更改されたとしても、誰も驚かないだろう。しかし、楽天のチーム総年俸は18億3770万円(選手会発表/外国人選手を含まず)。「参稼報酬の年度予算を立て、その額はチーム創設時からほとんど変わっていない」(関係者)とのこと。首位打者を狙える銀次、成長著しい桝田、聖澤諒、定位置を確保した藤田一也など昇給対象の選手も多く、チーム総年俸そのものを上げなければならない状況にある。

 仮に20億円前後で参稼報酬の予算を立てた場合、田中1人が「チーム総年俸の3分の1強」を持っていく計算になるが…。
 「田中がポスティングに掛けられた場合、落札金は、50億円は下らないとされています。戦力として田中の慰留は絶対必要ですが、2015年に『海外FA権』を取得して退団されたら、球団には1円も入りません。複数年契約の切れる今オフに“決断”したかったんじゃないですか」(球界関係者)

 優良外国人のジョーンズ、マギーは1年契約。とくにマギーは“慎重”に交渉する必要がある。巨人など他球団との争奪戦を征して獲得した経緯もあるだけに、強気な残留条件を出しているだろう。
 「マギーが楽天を選んだ理由は、親友のジョーンズが先に楽天入りを決めたからでした。ジョーンズの年俸は2億5000万円(推定)。ジョーンズも昇給必至です。ジョーンズに残ってもらわないと、楽天は優良外国人選手を一気に喪失するかもしれない」(同)
 楽天はオフも“銭闘モード”となりそうだ。

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