ホースマンの朝は早い。時刻は午前7時すぎ。国際馬事学校に到着した凌子と、こはるは、声をそろえて「早くお馬さんに乗りた〜い」とやる気満々。
でも、あなたたち! 華やかな舞台の裏には、必ず裏方の仕事もくっついてくることを分かってます?
そんなことを知ってか知らずか、まずは生徒さんとともに朝の腹ごしらえ。そこで、スリムな体に似合わずドンブリ飯を軽く2杯平らげる凌子…おいおい、そんなに食べて動けるのか?
きょう、主にご指導いただく先生は1997年、サニーブライアンで皐月賞、ダービーの2冠を制した元JRA騎手の大西直宏さん。まずは、朝の厩舎作業からスタートだ。
主な作業は、スコップを持っての馬房の清掃だが、ドンブリ飯2杯の“パワー”が利いたのか、サクサクと作業をこなしていく凌子に対し、こはるはかなりのへっぴり腰。手伝っているというよりは、むしろ足を引っ張ってる(?)。こちらは何やら先が思いやられそうな展開だ。
さあ、いよいよお待ちかねの乗馬体験。初心者用の取っ手がついた軽乗鞍(けいじょうあん)を装着した7歳牝馬エデンに、まずまたがったのはこはる。
引き手を持って指導する大西先生からアドバイスを受け、小さな馬場を常歩(なみあし)で数周。普通、初心者は馬上の高さにビクつくものだが、至って平常心。というよりも、むしろ楽しんでいる感さえある。
大西先生から、「じゃあ、片手を上げてみて」「上体をそらしてみようか」「馬の前髪をつかんでみて」。さっきまでのへっぴり腰はどこへやら、矢継ぎ早に飛ぶ注文にも、「キャッキャッ」言いながら応えてみせる。さらに、常歩から速歩(はやあし=ダク)に移行しても、次々と指示をこなしていく。
これには、周囲にいた学校スタッフも目を丸くするほど。ただ、レッスンを終えた際の第一声が「お股が痛〜い(涙)」。ガニ股で引き揚げてくる彼女の何ともこっけいな姿。スタッフによると、乗馬初心者は必ず内股の部分が筋肉痛に見舞われるそうだ。
さて、お次は凌子の番。こはるの変身ぶりにプレッシャーがかかったのか、エデンに騎乗する際、馬の背に体が到達することができず、ズルリと滑り落ちた。
それでも、2度目の挑戦でまたがると持ち前のガッツで大西先生からの指示をテキパキとこなしていく。速歩に移行した際、さらにエデンがペースアップしてしまうハプニングがあったが、落馬することなくフィニッシュ。「すごく楽しかったです」。達成感で満足げな笑みを浮かべ、下馬する凌子だったが、こはる同様、歩様に乱れが生じていたことはいうまでもない。
午後のレッスンで2人の面倒を見てくれるのは女性教官の篠原陽さん。
今度は初心者用の軽乗鞍ではなく、通常の鞍と鐙(あぶみ)を装着、手綱を自ら取っての本格的な騎乗だ。午前のおさらいを済ませると、馬の動きに合わせて馬上で立つ、座るを繰り返す軽速歩(けいはやあし=ダク)に移行。「立つ、座る、立つ、座る」の篠原先生の掛け声の下、必死にバランスを取るこはると、凌子。さらには、メニューは駆歩(かけあし)へ。
いわゆるキャンターというやつで、ここまでくると、2人の表情はまるで絶叫マシーンに乗っているかのようなこわばり方。しかし、篠原先生の次のひと言で彼女たちはシャキッとする。「写真撮られてるんだから、変顔で載ることになっちゃうよ!」。さすがは女性教官。女心を分かっていらっしゃる。
2人が気合を入れ直したところで、お次は引き手を離しての実践。もう誰にも頼ることはできない。エデンとのガチンコ勝負だ。手綱を操りながら、誘導に始まり、速歩→軽速歩→駆歩とステップアップしていく。さすがに駆歩となると、2人とも操縦しているというよりは、しがみついてるといった感じだが、このメニュー…実は生徒さんたちが行っているレッスンと一緒。2人とも才能ありか!?
みっちり、トレーニングを積むこと1時間強。2人はというと、もうヘトヘト。ちゃっかり休憩をいただくことになったのだが、あろうことかそろって爆睡。オイオイ! しっかりしておくれ。
きょう最後のお仕事は、カイバづくり。馬房から食事を催促する馬のいななきを聴きながら、感謝の意を込めて作業をこなす2人。それが終わると、今度は生徒さんと2人1組で馬場の清掃へ。夕映えに染まる馬場で、生徒さんと助け合いながら作業を進める凌子と、こはる。2人とも会話も弾んでいるようで、何ともほんわかしたムード。う〜ん、青春ですな。
終礼後、お世話になった先生やスタッフの方々にあいさつを済ませ、ミッションは終了。「また来たいね」(凌子)。「本格的に乗馬始めようかな〜」(こはる)。充実した一日を過ごし、大満足の2人。目指すものに違いこそあれ、夢に向かってまい進する同世代との触れ合いは彼女たちにとっても、いい刺激になったようだ。
◎突撃後記
【凌子】貴重な体験を楽しみながらやることができました。
馬房の掃除や馬の手入れの仕方など、先生や生徒さんにていねいに教えていただいたので、スムーズに作業することができました。かなりの筋トレにもなりましたね。
乗馬は怖がるとそれが馬にも伝わってしまうので気持ちをかき消すのに大変。あと、翌日は激しい筋肉痛になっちゃいました。先生方、生徒さんたちからは、馬に対する愛情が伝わってきて素晴らしく感じました。
【こはる】乗馬は初めてだったので、楽しみにしていた半面、緊張もありました。
最初は、身動きが取れず怖かったのですが、午後のレッスンではだいぶ慣れて、馬のリズムに合わせて立ったり座ったり、誘導したりといろいろな体験ができました。
思っていたよりも乗馬って本当にハード。さっそく筋肉痛。でも、馬ってすごくかわいいし、また乗りたいって思いました。
◎ネットで配信中
突撃の模様は、WWSチャンネル「行ってきましたシリーズ第1巻〜R JEWEL GIRLSが行く国際馬事学校〜」(http://www.wws-channel.com/vriety/baji/)で配信中。
<R JEWEL GIRLS撮影会情報> 3b撮影会…詳細は下記HPで(http://3bsatueikai.web.fc2.com/)
◎国際馬事学校
今回、お世話になった国際馬事学校は、「本格的な馬術、知識を学べる学校」として、競走馬の生産、騎手、調教厩務員や乗馬インストラクターからテーマパークスタッフまで、さまざまな職種へのプロデビューをサポートしている。一日体験入学も随時、受付中。興味のある方は挑戦してみよう!
住所…茨城県稲敷市蒲ヶ山864
学校長…大西直宏
HP(http://horseman-academy.jp/)