両刃のナイフを低く構え体ごと相手に突っ込んでいく。加藤容疑者はまるで戦場のコマンド部隊かやくざの鉄砲玉のように、冷静かつ確実に致命傷を与えていた。
殺傷力が強く扱いやすいナイフをわざわざ遠方の軍用品専門店まで出かけて購入したことに加え、その狂気ははかりようもない。
恐怖の“体当たり”は被害者の傷の状況や目撃者の証言などから総合的に判断、捜査本部は殺意は明確とみている。
加藤容疑者は凶器に、切りつけるより刺したり投げつけるのに適した全長23cm、刃渡り13cmのダガーナイフを選んだ。被害者に切りつけることはなく、犠牲者のうち4人は一突きで刺していた。
同容疑者はこれまでの調べに、1人目と警察官を刺したところまでは認識しているものの、その後はよく覚えていないなどと供述している。