日曜日、しかも晴天ということで商店街はかなり賑わっているが、その中でも人が一番集まっているのがなぜかパチ屋。入場整理券でも配っているのかと思い近づいてみると、店頭でバナナの叩き売りをやっている。意味が分からないが、まあ地域貢献というやつだろう。パチンコ店は一般的にいって社会の嫌われ者。新たに出店する際には地域住民の反対に遭い難航することも多いし、出店後も苦情が絶えないと聞いたことがある。こういった商店街ならなおさらだ。ちなみに向かいにあるライバル店舗は綿菓子の無料サービスを行っていた。もしかしたら「地域貢献を行う日」みたいなのが、ホール間で取り決められているのかも知れない。
新規出店で思い出したのだが、私の田舎には「せんぐまき」という風習がある。これは新居完成の際に家主が屋根の上から餅や金をばらまく儀式で「富を分け与えますので災厄から身も守ってください」との意味が込められているらしい。お金といっても5円や10円がほとんど。だが、たまに100円が降ってくることもあり、子供のころは意味も知らず群がったもの。うまくやれば結構な小遣い稼ぎになるのだ。
で、このせんぐまきはパチ屋が新規出店する際も行われており、その中身は万札だったりテレビ引換券だったりとかなりエグかった記憶がある。バナナの叩き売りや綿菓子のようにほのぼのとした雰囲気は一切ない。大人も混じっての壮絶な奪い合いで泣き出す子供も大勢いた。空から万札やテレビが降ってくるのだから当然だ。これが私の中でバブル時代を象徴する一番の出来事と言える。ちなみにその店は数年前に倒産。ホールを取り巻く環境は年々厳しさを増すばかりだ。
さて、本日は綿菓子を配っていたM店での実戦。対戦機種は、保留先読み機能を生かした演出が楽しい甘デジ北斗ユリアSTV。完成度の高い演出を思う存分味わうことができるので、打っていて純粋に楽しい。
玉貸しボタンをポチっと1回押して500円分の玉を出す。相手は甘デジ。この500円で当たるかもね…なんて考えていたら2回転目に転生モードに移行。本当に当たった。ただし転生モードは突確の可能性もあるのでまだ喜べない。いったん打ち出しをストップしケンとラオウのバトルの行方を見守る。が、強烈な剛掌波でケンがノックアウトされ、4回転のST・ユリアステージへ。ここで引き戻せば問題ないが、兵士の台詞は「ケンシロウ様の到着が遅れております!」ばかりでSTはあっさりスルー。せっかく500円で当たったのに出玉はなし…。一番虚しい瞬間であるが、これが甘デジ。
しかし、時短中に無想モードからVSジャギリーチに発展し、あっさり大当たりを射止める。この後は初当たりをテンポ良く引き続ける甘デジらしい展開が続き、一気に4000発程度まで出玉を増やすことに成功した。が、まさかの5倍ハマリで追加投資生活へ転落。こういう時「フルスペックにしとけば良かった」とつくづく思うが、本日のユリア姐さんはここまで1000円24回転をキープしており、グッと我慢する。
425回転目、サウザー回想×3(2からキリン柄)&キリン柄ネームでSP発展前に大当たり。北斗ユリアは前半部分でもよく当たるのがいい。そしてこの大当たりで流れが一変した。ST連が炸裂しまくって気が付けば9連達成。
各種赤台詞のほか、旧北斗演出、ラウンド中にボタンが振動といったST連確定プレミア演出を次々と体験。保留先読み機能万歳!
後半戦に突入すると勢いはさらに加速し、ST連3発の後になんと6回も時短引き戻しが炸裂。大当たり確率が1/77と高いことに加え時短回数も39回だから引き戻しが増えるのも当然か。しかも時短引き戻しの後はST連も入り乱れてのお祭り騒ぎに突入し、終わってみればハネデジでも快挙といえる17連達成!
唯一の心残りは15Rを1回も引けなかったことだが振り分け率が1%では仕方あるまい。鉄板演出で3&7(15R濃厚)のリーチとか堪らない。次こそは必ず…!
帰宅後、つい最近まで更地だった場所にいつの間にか一戸建てが建っていた。既に住民も住んでいるようだ。当然だがせんぐまきはなし。せめて挨拶くらいあっても良いのにとも思ったが、よく考えたら私だって近所付き合いはほとんどない。少し田舎が懐かしくなった。今日は結構稼いだし、今度久々に帰省してみるか。プラス4万8000円ナリ。
<プロフィール>
白覆面T 競馬雑誌の編集者を経てギャンブルライターへ。現在はさまざまなパチンコ&パチスロ攻略誌で活躍している。鋭い洞察力によって書かれる記事の数々は業界内でも定評アリ。ただし、なぜかいくつものペンネームを使い分け行動しているため、正体を知るものはごくわずか。熱しやすい性格で湯水のごとく金を突っ込む姿が何度も目撃されている正真正銘のギャンブル狂だ。