同作は有名推理作家アーサー・コナン・ドイルによる推理小説「シャーロック・ホームズシリーズ」が原作のミステリードラマだ。原作でシャーロック・ホームズに当たる犯罪捜査専門コンサルタントの誉獅子雄(ほまれ・ししお)役をディーン・フジオカ、ワトソン役に当たる誉の相棒、若宮潤一役を岩田剛典(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)が演じる。犯罪コンサルタントでありながらも、犯罪衝動に駆られてしまう危険な一面を持つ獅子雄と、幼い頃から「いい子」として育てられ、誰にも言えない孤独を抱える精神科医・岩宮が数々の難事件を解き明かすというストーリーだ。
舞台をイギリスから現代の日本に移し、原作では触れられていたものの、全容が語られなかった「ダーリントンの替え玉事件」「タンカーヴィル・クラブ醜聞事件」といったコアな事件を描いた本作。原作ファンからは期待の声が上がる一方で「ホームズがちょっとソシオパス的な感じとか、BCCのドラマのパクリじゃん。リメイクとか言えばいいのに、完全オリジナルとか詐欺」「そもそもホームズの世界観を日本でやるとか無理がある。せめてタイトル変えて」との不満の声が挙がっている。
確かに、2010年から2017年にかけてイギリス・BCCで放送されたドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』も、ドイルによる原作をベースしつつ、舞台を現代のイギリスに変更して制作されている。タイトルや、主人公シャーロックがソシオパス(社会病質者)的である点も共通しているが、公式では「リメイク」とは紹介していない。
ミステリー小説つながりで言えば、「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティーの小説を原作とした2015年放送のドラマ『オリエント急行殺人事件』(フジテレビ系)や2018年放送の『黒井戸殺し』(同)が放送されたことはある。三谷幸喜が脚本を務めたこの2作は、舞台設定を日本に変更しながらも自然な筋書きと、原作のイメージを覆すようなクセの強いキャラクター設定が好評だった。
視聴者の中には『シャーロック』と上記2作を比較して「名作を実写化して舞台を日本に変更するなら、三谷幸喜版の作品ぐらい思い切ったアレンジをしてくれたほうがまだ見応えある」と指摘する声もある。
さらに、原作ファンからはワトソン役の岩田に対しても「本田翼に並ぶ棒演技な人がワトソン役?無理すぎ」「岩田剛典、薄っぺらい演技するから苦手」「ナイーブなワトソンのイメージと合わない」と批判する声も挙がっている。
「岩田は近年、アーティスト業のかたわら、映画やドラマにも精力的に出演しています。初の映画主演を務めた2016年公開の『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』では、主人公のOL・河野さやか(高畑充希)の同居人で、植物をこよなく愛する青年・日下部樹を演じました。しかし、観客からは『滑舌の悪い棒読み演技が見るにたえなかった』『目が笑っていないから何か怖い』と酷評されました。原作が人気漫画だったこともあり、岩田の演技が『原作のイメージを壊す』と感じるファンも多かったようです」(ドラマライター)
「また、2016年放送の金曜ドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系)で、主人公の高野亜紀(菅野美穂)に思いを寄せる体操コーチ・生方航平を演じた際も、『シリアスなサスペンスドラマなのに、岩田の滑舌の悪さでスリリングさが半減する』『演技が棒読みで学芸会レベル』との批判が集まりました。悪評を集めた岩田が、名作小説を原作としたドラマで主演することに不安を抱くファンが多いのでしょう。また、岩田が演じるワトソンこと岩宮は、孤独を抱えるナイーブなキャラクターです。これまで岩田が演じてきた役は、好青年やマイペースな不思議系男子が多かった。『ナイーブな役が似合わない』と感じるファンも多いのでしょう』(同)
果たして岩田はこれまでの悪評を覆すような名演技を見せてくれるのだろうか。初回に期待したい。