7日、都内事務所で会見を開いた宮戸優光GMは、11・3JCBホール大会の追加対戦カードとして、ジョシュ・バーネット VS X、澤田敦士 VS Xを発表。2試合とも「旧IWGP王座は俺が取り返す」とアントニオ猪木に挑戦状を叩きつけた中邑のために組んだもので、「こちらが最短で用意できるカード。中邑選手にどちらかを選んでほしい」と迫った。
事態に進展は見られない。IGFは中邑のアクションを受けて「プロレス活性化のチャンス」と即座に受け入れ態勢を整えたが、中邑は「代弁者でなく猪木さんの言葉を聞きたい」とのスタンスを固持。
以後、こう着状態が続いていることについて、宮戸GMは「中邑選手の真意が分からないので猪木会長に伝えようがない。初代のベルトをただ単にモノとして欲しいのか、リングでの闘いを含めて取り返したいのか、より明確にしてくれないと、猪木会長がコメントしても無意味なやりとりになる」と、不毛な言葉のキャッチボールが続くことに懸念を抱く。
だからこそ中邑に「IGFは関係ないと言われても、猪木イコールIGFになる。都合の悪いことは知らないでは、挑戦という言葉を使った人間としては無責任。どんな問題があろうとも乗り越える覚悟と勇気があると思ったからこそ、私たちは反応した。どういう気持ちで挑戦という言葉を口にしたのかを知りたい」と、より具体的な説明を求めた。
なお、会見に同席した宇田川強エグゼクティブディレクターは、11・3JCBホール大会の追加対戦カードについて、バーネットと澤田が対中邑に名乗りをあげていることを明かし、中邑に対しては「IGFとしては売名行為で終わらせるつもりはない。レスラーとしての責任を果たすべき」と厳しい姿勢を示した。
◎永島の目
新日プロのIWGP王者・中邑が初代同王座ベルトを巡りA・猪木に対決を求めたことから端を発したバトル戦。IGFはニ度に渡り応戦しているが、ここで問題なのはIGFが猪木のコメントを書面でも一切出さないことである。
中邑はあくまでも偉大な先輩・猪木に対して見解を求めているものでありIGF役員の返答ではないのだ。バーネットだ澤田だと対戦相手をあげて「来い」の姿勢だが、これでは新日プロとしても中邑にしても動きようがないだろう。
さらに聞くところでは澤田選手がIWGPベルトのレプリカを持参して新日プロを訪問したという。これは中邑に対しても礼を逸した行為である。今回の問題をこんな“マンガチック”な行動で示してはいけない。
結局、このバトルは10日にも米国から帰国するA・猪木が自身の見解を述べてから新しい展開に入るしかない。
(本紙・編集プロデューサー)