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WBC 4番争い混戦

 4番争い混とん! 3月5日に開幕する第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の村田修一(横浜)が17日、“4番デモ”を敢行した。サムライジャパンの主砲候補は、代表合宿2日目のシート打撃でただ1人長打を放ち、首脳陣にアピール。4番争いで一歩リードしたかに見えるが、その一方で課題もある。主砲争いは混迷を極めている。

 セ・リーグの本塁打王が早くも本領を発揮した。
 前日を超える4万3000人が訪れた合宿2日目。ボールカウント1-1から始まるシート打撃でA組の4番に座った村田は、持ち前の長打力をいかんなく発揮した。
 田中(楽天)、小松(オリックス)からいずれも左中間へタイムリー2塁打。前回大会の4番・松中(ソフトバンク)、小笠原(巨人)、栗原(広島)ら他の主砲候補が苦しむ中、ただ一人4番の仕事をキッチリこなしてみせた。
 練習後、「長打力を買われて(候補に)入っていると思うので、いいアピールができた」と満足した表情を浮かべた。
 すでに準備万端だ。
 「(4番への)こだわりは昔から持っている。それだけの準備はしてきたつもりです」
 今年からバットの素材をアオダモから反発力の高いメープルにチェンジするなど道具にもこだわる。モチベーションはいつになく高い。
 初のシート打撃で結果を残し、4番争いで一歩抜け出した感のある村田。だが、不安要素もある。

 気掛かりなのは体調面だ。村田は昨年の北京五輪直前で風邪をひき、体調を崩したまま本番に突入。わずか2安打と精彩を欠いた。今回は「体調管理だけはしっかりとして臨みたい」と細心の注意を払っているが、コンディションは、まだ万全とはいえない。
 懸念材料はそれだけではない。守備だ。昨年、村田は三塁手として132試合に出場したが、リーグワースト16個の失策を記録している。短期決戦のWBCでは、1つの細かいミスが命取りになりかねない。この日、シートノックの中継プレーでもボールをこぼす場面があり、「日本のボールと感触が違うし、ちゃんと捕らないと。投げる方が難しい」とWBC使用球への不安を口にした。

 村田以外の4番候補の調子はどうか。ライバルは松中、小笠原、栗原の3人。前回大会4番を務めた松中は、2三振とまだ本調子ではない。小笠原は1安打したものの、昨シーズン本職の三塁で41試合しか出場していないだけに、守備面でブランクが心配される。栗原は今回代表初選出ということもあり、国際舞台での経験不足は否めない。
 左打者が多い日本代表には、最低でも右の大砲が一枚はほしいところ。だが一方では、守備のバランスも考えなければならない。
 「自分のスタイルを貫いていくだけ」と言い切る村田。サムライジャパンの主砲は誰になるのか。4番争いの決着がつくのは、まだ先のことになりそうだ。

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