年内の世界挑戦を見据え、静かにその時を狙っていた興毅。だが、この日の会見で内藤とのタイトル戦が正式発表されると、2階級制覇に向けて早くも“先制口撃”を開始した。
「ようやく世界戦が決まった。待ってたから、あとは勝つだけ。チャンピオンさん、ハキハキ喋ったほうがええんちゃうか? シャキッとせえよ」と説法。
さらに「オレはここまで無敗。弱点無いから。その点チャンピオンは弱点たくさんある。歳やろ、スタミナも無い、スピードも無いし、大したパンチもない。この試合に負けたら終わりなんやから」と引退勧告までつきつけた。
ここまでコケにされ、冷静に聞き流していた内藤も「キャリアは負けてねーよ。オメー日本人とやったことねぇじゃねぇかよ」と反論。舌戦に発展した。
興毅は亀田節で挑発することが、自らの立場を追い込むことになるのは百も承知。それでもオレ流を貫くことはやめない。
会見で、興毅のモノマネをした内藤に「なかなかモノマネもヘタクソやな、ボクシングもヘタクソやけど」。なんと世界王者に対しヘタクソ呼ばわり。そればかりか「段々、パンチドランカーになってきてるからな」と徹底的にこき下ろした。
すべては2階級制覇を成し遂げるための布石にすぎない。王者をイラ立たせてペースを狂わせるのが狙いだ。それだけに「久々にKO予告だしとこか? 3Rで仕留めます」とKO宣言ももしかしたら額面通りには受け取れないかもしれない。
会見の帰り際、記者のお腹をタッチし、2階級制覇を誓約した興毅。その拳で“国民の期待”内藤を打ち砕く。