昨季は6勝18敗と大きく負け越し、巨人に苦手意識のあるヤクルト。高田繁監督は「去年やられたから、今年は借りを返したいという気持ちは他球団よりも強い」と気合を入れて臨んだ。
だが2-2の同点で迎えた6回、鈴木尚広に2点適時打を許すなど3点を失うと、9回にも1点を追加され、昨年からの連敗記録は5に伸びた。
この日は、助っ人外国人選手の差が大きな敗因となった。一昨年まで同じユニフォームでプレーしていたグライシンガーに6連敗。5回無死満塁の場面でも1点しか奪えず「あと(ヒット)1本が…。ノーアウト満塁で攻めきれなかった」と高田監督は唇を噛んだ。一方、期待の新戦力デントナは「いいものはあるんだけど、時間がかかるね」と活躍せず。
巨人とは外国人助っ人の年俸の“格差”がある。この日は、グライシンガー(推定年俸2億5000万円)が先発し、マーク・クルーン(同3億円)が締めるという5億5000万円リレー。打線もアレックス・ラミレス(同5億円)、李承(イ・スンヨプ)(同6億円)と豪華絢爛(けんらん)だ。
対するヤクルトは助っ人4人全員の推定年俸を足しても1億9300万円と、グライシンガー1人分にも満たない。戦力での見劣りは否めない。
そんな中、一筋の光明も見えてきた。新戦力左腕のバレットだ。この日1軍デビューを果たし、2回をヒット1本に抑え、「先発としてやれと言われても大丈夫」と話した。
4650万円の左腕は、ヤクルトの切り札になるのか。助っ人外国人が格差社会に立ち向かう。
◎四死球で自滅の木田に高田監督苦言
期待の“アラフォー投手”木田は、今季2度目の先発マウンドに上がったが、2連勝はならず。首脳陣からは厳しい評価が相次いだ。
この日の木田は制球が定まらず、計6四死球を与え自滅。女房役の相川亮二が掲げる「低めのコントロールとタイミングを外すこと。低めのボールで内野ゴロを打たせる投球術」も鳴りを潜めた。
6回5失点で降板。「3人に(四死球を)続けたというのはもったいなかった」と、先制点を許すきっかけとなった場面を悔やんだ。
当然、この内容では首脳陣も満足するはずもない。高田監督は「点数の取られ方が良くない。苦労して(味方が)1点取ったらフォアボールで自滅。頑張ったけど、もったいない」と言えば、荒木大輔投手コーチも「5回から疲れがあった。でもあそこ(6回)で、いってもらわないと先発ピッチャーとして使えない」と嘆いた。
「自己管理をしっかりしていい体調で次に臨むだけ」。木田は巻き返しを誓った。