セミファイナルでは、白いベルトことワンダー・オブ・スターダム選手権試合、チャンピオンの中野たむに、上谷沙弥が挑戦。試合はかなり激しい打ち合いのある壮絶な試合になったが、最後は上谷がフェニックス・スプラッシュを決めてカウント3。悲願のシングル初戴冠を果たしている。
試合後、上谷は涙声で「中野たむ、たむさん、私がベルトの呪いを解きました。今度は、あなたが、私の背中を追いかけてきてください。2022年は、ゴールデン・フェニックスが、さらに、さらに、さらに、大きく羽ばたいてみせます」とかつての師匠に成長した姿をアピール。上谷にベルトを巻いてあげたたむは「上谷、白いベルト、よーく似合ってるよ。たむの次にね。中野たむは、どんな逆境でも這い上がる、しぶとい女だから。覚悟しとけよ」と感慨深い様子。
そこにウナギ・サヤカがリングに登場し、「上谷さーん!白いベルト、おめでとうございます。私がここに来たってことは、どういう意味か、わかるよね?2022年は、ウナギ・サヤカの年になる。新年一発目、よろしくお願いします」と挑戦表明。上谷は「よくさ、この状況で出て来ようと思うよね」と呆れながらも、「挑戦者…まあでも今日はチャンピオンとしての余韻に浸りたいから、置いといて、まあ考えとくよ。考えときます。第16代ワンダー・オブ・スターダムチャンピオンとして、これからもさらにさらに羽ばたいた不死鳥のごとく、なっていきたいと思います!誰が、なんと言おうと、私がスターダムだー!」と叫んだ。
バックステージでたむは「いやあ、ええ、どう?かわいいですか?ブスですか?かわいい?いやあ狂ってるでしょ、上谷沙弥、狂ってるよ。ベルトなくなっちゃいました。まだ白いベルトの王者としてやりたいこと、やらなきゃいけないこと、いっぱい残ってたのに…。でも、掴めなかった夢があるから、果たせなかった約束があるから、たむは、また明日も生きていけるのかもしれないです。中野たむは、逆境でこそ輝く、しぶとくて重い女なんで!また、また取り返しますよ。本当のたむロード、ここからですから、見ててください」と巻き返しを誓う。
上谷は「ハイ、第16代ワンダー・オブ・スターダムチャンピオンの上谷沙弥です。ベルトの呪い、私が解いてみせました。生まれ変わったこのベルトの名は、全力のベルト。私はアイドル時代、努力しても努力しても全然報われなくて、努力することがすごくすごく怖くなっていました。でも、プロレスは努力をすれば必ず報われる。私は器用ではないし、すごく目の前のまっすぐなものしか見えません。でも、私は今この目の前にあるプロレスを全力で精いっぱい前を向いて頑張っていきたいと思っています。私がプロレスに出会って救われたように、今度は私がたくさんの人をプロレスで元気や希望、たくさんの感情を与えていきたいと思っています。これからは私がチャンピオンとしてスターダムを引っ張っていきます。全力で常にどの試合も手を抜かず、精一杯全力で私は試合をしていきたい。そういう魂のこもったベルトです。そしてこのベルトとともにスーパースターに駆け上がっていきます。私はフューチャーのベルトが取れなかったので、ホントにホントにずっと悔しい思いをしていました。やっぱりあきらめそうになったこともあったんですけど、信じ続けてよかったなとホントに心から思います」と安堵の表情を浮かべていた。
◆スターダム◆
『STARDOM DREAM QUEENDOM 2021 』
2021年12月29日
東京・両国国技館
観衆 3039人
▼ワンダー・オブ・スターダム選手権試合(30分1本勝負)
<王者>●中野たむ(21分59秒 片エビ固め)上谷沙弥○<挑戦者>
※フェニックス・スプラッシュ
※たむが7度目の防衛に失敗。上谷が第16代王者となる。
(どら増田)