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高橋四丁目の居酒屋万歩計 本格炭火焼「ハッチとノラ」

 京王井の頭線、池ノ上駅から徒歩140歩

 京王井の頭線・池の上駅で下車。赤提灯がさがっていて居酒屋でなく、炭火で肉を焼くのだが焼肉屋でなく、コース料理がなんと1500円でいただけるレストラン、に行く。駅から淡島通りまでの代沢2丁目一帯は名にし負う高級住宅街で、アンゴラ共和国大使館やインド大使館次席公邸があって、おおよそそのような人々が住んでいるが、日本の首相もかつてお住まいで、DAIGOさん(歌手)がしばしばあそびにいっていたという、代沢のおじいちゃんこと竹下登氏の私邸もあった。訪ねあてると、保存樹木を残して更地になっていた。
 敷地の広めな住宅街の真ん中を通る商店街には、大使館狙いのインド・ネパールレストランがあり、可処分所得が多そうな方々向けの鎌倉ハムのカフェ、スペイン料理店、鮮魚店、洋菓子店などが軒を並べる。古本屋もしっかり2軒あり、由縁(ゆかり)堂と文紀堂。由縁堂で贔屓(ひいき)の噺家(はなしか)の手ぬぐいを、文紀堂でかねてから探していたミステリーを購入して、踏み切りを渡る。あった。ここ、だ、よな。目印は赤提灯の創作焼肉料理店。可処分所得の大小ではなく、好奇心の大小こそが客に問われる、“物好きのための地の果て系レストラン”「ハッチとノラ」だ。名前といい、店構えといい、立地といい、この店にためらうことなく入れるならば、あなたの踏んだ場数はそうとうなものであるのでしょう。一品ずつオーダーすれば2800円相当になるプレートを、1500円のコース料理に組み立てる。2000円コース、3000円コース、5000円コースも同様に、それぞれ約倍額の料理で構成されている。

 この日の1500円コースは供された順に、牛テール煮込み、レバニンニク焼き、おしんこ、ハツバター焼き、タンハム、の5品。かしっ、もぐもぐ、もぐ。これは旨(うま)いぞ。牛肉の塊を食いちぎって胃の腑に飲み下すと、ずしんという音がしたほどである。出窓に積まれている木炭を真っ赤におこしながら、ご亭主は牛肉の部位をレア風味に焼いて味をとじこめる。1500円のコースは、お試し価格として設定されているようだが、実際はこれで十分。上級者用のアラカルト料理は、春夏秋冬の季節を背負った257品目すべてを食べ尽くしたあとで考えればよいのではないだろうか。必ず、コースを選ぶべき店であることを強調しておきたい。予約されたほうが無難とは思うが、なにかの際には坂を下れば下北沢だからご安心を。素直な食いしん坊のお友だちと探検すれば、さらに仲良くなれるだろう。
 一方ご亭主は、塩、葡萄酒、クラシック音楽、マジック、競馬、医療などに造詣が深い文武両道の達人なので、薀蓄(うんちく)好きなチャラ男クンとだけは同道しないほうがお為である。予算2100円。

東京都世田谷区北沢1-43-14

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