search
とじる
トップ > トレンド > 『リバウンド』第8話、鬼編集長ぶりが様になる若村麻由美

『リバウンド』第8話、鬼編集長ぶりが様になる若村麻由美

 日本テレビ系ドラマ『リバウンド』第8話「変えられない女」が、6月15日に放送された。今回は大場信子(相武紗季)と今井太一(速水もこみち)、三村瞳(栗山千明)の三角関係が泥沼化する中で、編集長・森中蘭(若村麻由美)のエピソードが清涼感をもたらした。

 蘭は信子が編集するファッション雑誌『エデン』の鬼編集長である。面白い雑誌を作って読者を幸せにすることに命を賭けているが、名前を間違えて呼ぶなどの傲慢な性格から編集部員の反感も買っていた。今回は功績のあったモデルの内藤有希(西山茉希)を降板させたために、出版社との上層部とも衝突してしまう。
 ドラマの本筋は三角関係であるが、二人の異性の間を揺れ動く想いや恋のライバルの競い合いなど恋愛ドラマの要素は薄い。信子と太一は相思相愛であるが、信子は瞳の気持ちを優先させて自分が身を引こうとする。恋愛よりも友情を優先させた行動である。しかし、彼氏を譲ってもらったところで、瞳が喜ぶものでもない。みじめな気持ちや罪悪感が残るだけである。
 太一から逃げ回るばかりの信子であったが、蘭を元気にさせたいという信子の気持ちがドラマを進めた。冷たい編集部員に「私一人で無駄な努力をやり続ける」と啖呵を切った信子は「アンジュ」に行き、太一にケーキが大嫌いな蘭でも食べられるケーキを依頼する。蘭のエピソードを絡ませることで、こう着した恋愛ドラマに動きを与えた。

 蘭のエピソードはスポンサーや会社の上層部とも妥協せず、孤立無援になっても、自分が面白いと考える雑誌編集を貫くところがポイントであるが、背景の描写は抽象的である。モデルの有希では何故ダメなのか、新人モデルのどこに魅力があるのか、説明がない。それ故に蘭の決定が雑誌を良くするものか、単なる気まぐれのワガママか視聴者は判断できない。
 本来ならば具体的な理由説明なしで、真剣であるが故の雑誌への情熱であると位置づけることは乱暴な話である。むしろ、独裁者のワガママに振り回される編集部員に同情を覚えても不思議ではない。しかし、細かな説明がなくても若村麻由美の演じる蘭の存在自体が、仕事ができる女性として迫力がある。

 サングラスを頭に乗せるなど蘭の独特のファッションはファッション誌の編集長として様になっている。若村は2008年放送の大河ドラマ『篤姫』での皇女和宮の生母・観行院役など時代劇で若手女優に引けを取らない美貌を披露していたが、現代ドラマでも他者を寄せ付けない美貌を示した。そして『プラダを着た悪魔』のミランダ編集長ばりの鬼編集長ぶりである。その生き方に影響を受けた主人公・信子の精神的成長に注目したい。

(林田力)

関連記事


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ