先場所千秋楽、白鵬は優勝インタビューの最中に観客を巻き込んで三本締めを行い、相撲協会からけん責の処分を受けた。
「万歳はいけないが、三本締めはいいと思った」
一昨年の九州場所でも万歳三唱を行って厳重注意の処分を受けていた横綱の子供じみた言い訳に、「大相撲界を軽んじている」と批判する声も上がったほどだ。
一時は、協会幹部との対立が決定的になるのではと危惧されたが、処分決定後の白鵬はすこぶる殊勝で、「また一から勉強したい」と神妙な面持ちだった。
それもそのはず、三本締めを行った日の取組で痛めた右腕の状態が悪く、しばらくは稽古もままならない状態だったというのだ。
「4月末まで続いた春巡業中も、治療とリハビリに専念し、ただの一番も土俵に上がって相撲を取らなかった。本人が明かした通り、『筋肉が切れている』ようで、深刻な状態だ」(協会関係者)
実際、白鵬は3日に行われた伊勢ケ浜一門の連合稽古には参加したものの、十両の旭大星らにぶつかり稽古で胸を出しただけだった。
「それも、胸に頭をつけて押させるだけの見世物。去年の初場所から、8場所中5場所も休場していることを見ても分かる通り、最近の白鵬は連続出場に耐えられなくなっている。今回のケガは土俵上でやった公傷だから、誰にも文句を言われずに休める。平成の最後と令和の最初に優勝するという夢は諦めて、しばらく休むだろう。で、万全の体調で東京五輪の晴れ舞台に臨む腹づもりだよ」(同)
この関係者の話を裏書きするように、白鵬はこんなコメントも出している。
「巡業中に四股やすり足でしっかり足腰は鍛えたけど、上半身の状態は分からない」
結局、休場ということに。内心では、「しめしめ。これでゆっくり休めるぞ」と思っているのかもしれない。こんなふうにうまく立ち振る舞えば、稀勢の里(現荒磯親方)だって、まだ引退せずに済んだのに…。