兵庫県警長田署は1月7日、同県神戸市内で地蔵菩薩像計9体を盗んだとして、窃盗容疑で、無職の男・A(22=住所不定)=別の強盗罪で起訴=と、無職の男・B(21=同市神戸区)=窃盗罪で起訴=を書類送検した。
同署によると、Aは昨年10月4日〜10日、同市長田区、兵庫区のお堂6カ所から、地蔵7体(高さ約20〜25センチ)を盗んだ疑い。
Bは友人のAから、「地蔵は金になる」と聞いて、Aの手口をまねて、同10月に兵庫区などで地蔵2体を盗んだ疑い。
2人は盗んだ地蔵9体のうち8体を、同区の質屋に持ち込み、断る店主にすごんで、1体約3000円で換金させていた。
Aは「最近は古い仏像が人気で高く売れると聞き、金になると思ってやった」と容疑を認めているという。
盗まれた地蔵9体のうち6体は、阪神大震災で大きな被害を受けた長田区にあった。なかには、近所の住民ががれきの下から掘り起こして、守り続けてきた物もあり、近隣住民は「心のよりどころを盗まれた」と憤慨していた。
幸い盗まれた地蔵9体はすべて見つかり、元のお堂に戻され、住民も安堵したようだ。
Aは昨年10月下旬、市内の牛丼店で8万円を奪ったとして、強盗容疑で逮捕され、その後の捜査で一連の地蔵盗みが発覚した。
(蔵元英二)