同社によると、男性は12年に入社し、「JA葬祭松本」に勤務していた。社内調査したところ、昨年3〜12月にかけて、23回にわたって、顧客から現金で受け取った葬儀代金計約3500万円を着服していた。
男性は顧客に不正な領収書を渡して信用させ、会社の経理担当者には「未収金」と虚偽報告。一定期間後、新たに着服した金で穴埋めする“自転車操業”を続けていた。同社の実質損害額は約1600万円で、顧客の被害はない。
集金担当の上司が1月4日、昨年10月から未収金の扱いとなっていた顧客に連絡して確認したところ、支払い済みと分かり、不正が発覚した。
男性は事実関係を認め、「借金の返済や遊興費に使った」と話しているという。1月5日から自宅待機になっており、同社では刑事告訴する方針。
同社・浅野尚志社長は「問題を厳粛に受け止め、法令順守の徹底を図る」とコメント。再発防止にあたって、今後は複数の社員で集金を担当するなどの対策を取るという。
同社のセレモニー事業部は県内に6カ所の拠点を設け、セレモニーホール「虹のホールグループ」などを運営している。
葬儀代金を着服するとは、ばちあたりな男だ。
(蔵元英二)