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別の事故で姉妹が死亡した岐阜県「魔のガード下」

 一連の事件の発端は、1994年8月27日、岐阜県養老町金屋を走る名神高速道路のガード下で起きた衝突事故だった。中央の支柱に51歳の男性会社員が運転するトヨタ・タウンエースが激突。その直後、男性はまだ生きていて、「助けてくれー」と叫び声を上げていたが、車から出火して炎上したため、間もなく焼死した。

 事故を見ていた人にとってこの光景はトラウマになり、それから間もなく「事故現場に霊が立つ」と噂になるようになった。

 その噂を裏付けるかのように、第一の事故が発生した約1カ月後の同年9月25日、まったく同じように大垣市在住の主婦・A子さん(46)の運転する車が中央支柱に激突。A子さんは運転席と座席の間に挟まれて死亡した。

「死因は全身打撲と脳挫傷。現場は見通しのいい直線道路なのに、真正面から激突して、車が大破している。『A子さんは霊を見たために、面食らってハンドルを切ったんだ』などと、まことしやかに囁かれました」(地元記者)

★次の被害者は死亡したAさんの…

 そして、このA子さんが亡くなった事故の後、決定的な出来事が起きる。それからさらに約1カ月後の同年10月20日、今度はA子さんの実姉であるB子さん(49)が全く同じ現場で、同じような事故を起こして死亡したのだ。B子さんの運転する車はA子さんと同じように真正面から中央支柱に激突し、運転席と座席の間に圧迫されて死亡した。

「B子さんの死に方が一番謎なのです。車は60〜70㎞ほど出ていたとみられ、まるで中央支柱に導かれるようにぶつかっていました。現場にはタイヤのスリップ痕もありませんでした。こうなると自殺したとも考えられますが、B子さんはシートベルトを着用していたのです。事故が起きたのは朝5時55分で、なぜその時間に車で走っていたのか、家族でも分からないそうです」(捜査関係者)

 同じ現場で、わずか2カ月の間に3件の死亡事故―。管轄の養老署幹部も首をかしげるばかりで、もちろん前代未聞の事故、いや、事件である。

 筆者はB子さんの夫を訪ねたところ、「何も話すことはない。ノーコメント」と言って、自宅にこもってしまった。

 代わりに、B子さんをよく知る近所の人が話す。

「A子さんとB子さんは非常に仲のいい姉妹で、A子さんが死亡した時、B子さんは非常にショックを受け、最近はノイローゼ気味だったそうです。近所では『妹が事故現場に呼んだのではないか?』などと噂されていましたが、B子さんには社会人と高校生の娘もいて、そんな衝動的な行動を取るような人ではないと思います」

 事故を受けて、現場では導流帯が設置され、神主によるお祓いも執り行われた。それ以来、現場で死亡事故があったという報道はない。

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