田代容疑者がミュージシャンからコメディアンの活動を始めたのは、1980年代後半である。芸歴的に言えば、とんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウンなどのお笑い第3世代とほぼ一緒だと言える。土田世代の若手芸人にとっては良き兄貴分だったのだろう。
田代容疑者のタレント転身のきっかけは志村けんに見出され、『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)などへ出演を始めた。そのため、田代容疑者は「バカ殿」のイメージも多いが、その他にも多くの活躍をしていた。
80年代末に『笑っていいとも!』(フジテレビ系)にレギュラー出演したほか、『ものまね王座決定戦』『スターどっきり(秘)報告』(同)で進行を務め、おニャン子クラブやとんねるずが出演した『夕やけニャンニャン』(同)へも出演。フジテレビとの関係が深かったと言える。あらゆる番組で落ち着いた進行役として出演することが多く、多くのタレントとの交流も生まれていったのだろう。
2000年代の逮捕から復帰後に出演したインターネット番組では、構成作家を務める人物が元芸人で、「若手時代にネタを褒められた恩」からブッキングされたと手記で語られていたこともある。
全盛期の田代容疑者は「マーシー」の愛称でも知られ、自身のキャラクターをあしらったブランド「MARCY'S(マーシーズ)」も存在した。このグッズを専門に扱うタレントショップもあったほどだ。昨年にはこのブランドが復刻され話題となっていた。
度重なる逮捕で、すでにテレビの表舞台から消えて20年近く経つが、かつての田代容疑者は国民的タレントであったと言えるだろう。